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石井繁礼社長による年頭あいさつ

川崎近海、激動の時代を生き残るには「構造改革」

2017年1月4日 (水)

ロジスティクス川崎近海汽船の石井繁礼社長による年頭あいさつの要旨は次の通り。

石井社長の年頭あいさつ(要旨)

2016年は世界情勢が目まぐるしく変化し、またさまざまなことが重なり、将来、歴史の転換点として記憶される年になるかも知れない。特に11月、大手3社がコンテナ部門を統合することを発表し、海運界に激震が走った。このことは日本の海運産業の地盤が大きく変化し、当社もその影響を受けざるを得ない事態だと考えている。

一方、川崎近海汽船は昨年創立50周年を迎え、5月に多くの人と一緒に盛大に祝うことができた。また、時代のニーズを先取りするように春にオフショア支援船「あかつき」が就航し、この秋は西日本のモーダルシフトの受け皿として清水・大分に定期航路を開設した。激しく変化する新しい時代、新しいニーズへの備えを進めているところだ。

あかつきは、海底深部探査船「ちきゅう」の南海トラフ発生帯掘削支援に続き、5月初めから10月末まで半年にわたり島根県浜田沖の天然ガスの試掘リグの支援に従事した。そのガス田は大いに期待できるものであることが判り、政府の推進する海洋開発のさきがけとなる仕事に携わることが出来た。

この分野の次なる期待は、数年後に始まる洋上風力発電とEEZ(排他的経済水域)に広がる海洋エネルギー資源開発となる。

10月にスタートした清水・大分航路は出だし思いのほか苦戦を強いられているが、国内の物流業界にも若手ドライバーの不足、高齢ドライバーの事故の多発と少子高齢化の波は着実に忍び寄っており、近い将来一気にシャーシ輸送によるモーダルシフトが起こるものと考えている。従って、なるべく早い時期にデイリー化を、そして安定した航路運営を目指して現在営業部隊は懸命の努力を続けている。

また、内航不定期船の分野では昨年千津川丸の新造代替が完了し、ここ2年で興洋丸、萬洋丸と合わせ3隻の新造船、環境性能に優れた新船が登場している。この分野は新規の石炭火力向け専用船のチャンス、そしてオリンピックを控えた荷動きがいよいよ期待できる時期にさしかかったと捉えている。

今年 6月の総会で社⻑就任から6年が経つ。その間、世界の社会・経済情勢は大きく変化した。企業がこの激動の時代に生き残るには、自力で構造改革を成し遂げる必要がある。

すべての企業が今そのことを迫られ、また呻吟しているところだ。企業の構造改革とは、従業員一人ひとりが意識改革を遂げるところから始まると考える。その際に忘れてならないのは、常に安心して働ける職場環境の存在だ。それを阻害する状況はないだろうか。企業は当に人の集合体にほかならない。皆さんの力を結集して51年目に踏み出していこう。