ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

陸災防・川合会長、フォーク検定を「積極的に推進」

2017年1月11日 (水)

行政・団体陸上貨物運送事業労働災害防止協会(陸災防)の川合正矩会長による年頭所感は次の通り。

川合会長の年頭所感(要旨)

2017年は次の取組を重点として行うこととしている。第一は荷主と連携した荷役災害防止対策の強化。陸運業の死傷災害の多くを占める荷役災害が、荷主等の構内で多く発生していることから、荷主と連携した荷役災害防止対策の推進が必要であるとして、2013年厚生労働省から「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」が示された。

昨年は、荷役ガイドラインの周知を含め陸運業の荷役災害防止担当者への研修会を全国で実施した。ことしは、当協会として昨年に引き続き荷役ガイドラインの周知に努めるとともに、労働災害が増加傾向にあるロールボックスパレット作業に対する安全教育を進めていく。

第二は、交通労働災害等の防止。労働災害による死亡者数の約半分は、依然として交通事故によるもの。また陸運業では、高年齢自動車運転者の割合が高くなっており、年齢とともに心身機能の変化も見られ、高年齢者ほど労働災害にあうリスクが高いということがある。

このため、交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく取り組みを進めるとともに、当協会が取りまとめた「高年齢者に配慮した交通・荷役災害防止の手引き」も活用しながら、交通労働災害の防止を推進する。

第三は、健康確保対策の推進。陸運業の健康診断における有所見者数の割合は他業種に比べ高い水準にあり、さらに脳・心臓疾患による労災認定件数は業種別で最も多く、また、精神障害などの認定件数も業種別で最多だ。

こうした状況を踏まえ、過労死などの大幅減少を目指し、「過労死等防止セミナー」を全日本トラック協会など関係機関と連携のうえ開催するとともに、ストレスチェックの実施とその結果に基づくメンタルヘルス対策を一層推進する。

第四は、フォークリフト荷役技能検定制度の本格的な実施を図ること。一昨年から開始したこの荷役技能検定は、フォークリフト運転者の安全・正確・迅速な荷役作業の技能を評価し認定するもので、技能の向上を通じて労働災害の防止に寄与することを目的とするもの。

安全作業はもとよりフォークリフトの事故全般の減少につながる有効な制度であることを、陸運業だけでなく製造業や流通業などフォークリフト荷役作業を行うすべての事業者に理解されるよう、周知に努める。

昨年は、2級検定試験を4月と10月の2回、全国17か所で実施した。ことしは、2級検定試験の実施回数や実施場所の拡大の検討に加え、新たに1級検定試験を実施することとし、積極的な推進を図っていく。