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米アマゾン、物流拠点中心に18か月で10万人雇用

2017年1月13日 (金)
米アマゾン、物流拠点中心に10万人の新規雇用を計画
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話題米アマゾンは12日(現地時間)、向こう18か月の間に米国全体で新たに10万人以上のフルタイム労働者を雇用することを表明した。すでに18万人を雇用して「全米最大の雇用者」となっているが、物流センターを中心として2018年半ばまでに米国ベースの労働者を育て、28万人まで雇用を増やす計画だ。

短期間に10万人もの雇用拡大をこの時期に打ち出した理由は明示されていないが、ドナルド・トランプ次期大統領の国内雇用拡大方針に沿ったものであるのは間違いなく、これまでもハイペースで拡大してきた物流拠点網の整備を加速させるなどして「繁栄を謳歌するEC」企業の最大手として米国重視の姿勢を印象づける狙いがあるとみられる。

ただ、同社は11年末時点で3万人だった従業員数を16年末の18万人まで5年間で15万人増やした実績があり、この数字も実現不可能な人数ではなさそうだ。

18万人の多くはテキサス州、カリフォルニア州、フロリダ州、ニュージャージー州など全国で進む建設中の物流センターやカスタマーサービス拠点で吸収するが、同時に希望する職種に就けるようさまざまなプログラムを提供する。

創業者兼CEOのジェフ・ベゾス氏は「クラウド技術や機械学習、高度なロジスティクスを考案し続けているのと同様に、今後の18か月間で新しいフルフィルメントセンターを開設し、会社全体で10万の新たな『アマゾニアン』を迎え入れる予定だ」と述べ、雇用拡大を急ぐ考えを示した。

サブ見出しマーク 全米各地の新設拠点で大量雇用計画続々

同社が全米各地で展開しようとしている雇用計画を見ると、シアトル本社がある「ホームステート」のワシントン州ではすでにオフィスと物流拠点で4万人以上の従業員を擁しているが、シアトル本社の拡張計画が完了すれば、ダウンタウンの中心に展開する建物規模は30以上に増え、面積も1000万平方フィート(92万9030平方メートル)に及ぶことになる。

13年以来、ダラス、フォートワース、ハスレット、コッペル、シェルツ、サンマルコスと7つの物流拠点を立ち上げてきたテキサス州では現在、ヒューストンで8か所目を建設中。現在のフルタイム従業員数は1万人を超え、ヒューストンの新拠点でも1000人以上を雇用するほか、500人以上が働くオースティンオフィスでは数百人規模の採用余力を持つ。カリフォルニア州では12年以来、これまでに1万4000以上のフルタイム雇用を生み出してきたほか、16年には新たに4棟の「ゴールデンステート・フルフィルメントセンター」計画を発表。サクラメント、トレイシーなどの地域で4000人以上の新規雇用を行う方針だ。

米アマゾン、物流拠点中心に10万人の新規雇用を計画

イリノイ州ではすでにエドワーズビル、ジョリエット、ロミオビルで5つの物流拠点を展開しているが、モニー、オーロラ、ウォーキーガンでも新拠点の建設が進んでおり、17年後半の完成後は7000人以上のフルタイム雇用をもたらす。州内の11拠点で1万人以上のフルタイム従業員を雇用しているケンタッキー州では、開設から17年が経過した配送センターに数百万ドルかけて改装したキャンベルズビル・フルフィルメントセンターのように、さらに1000人以上の年内新規雇用を計画する。

13年以降、4000人以上のフルタイム雇用を生み出したフロリダ州では最近、フルフィルメント拠点、仕分け拠点、プライムナウ・ハブを含む2か所の新たな物流拠点を開設すると発表したが、これらの新拠点は「サンシャインステート(フロリダ州のこと)に6500を超える労働力をもたらす」(アマゾン)。既存の7棟で1万1000人以上の従業員を雇用するニュージャージー州では、「2500人のフルタイム雇用を創出する配送センター」の新設計画がある。

(画像:Amazon.com)