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16年11月の内航輸送、貨物船輸送量7%増加

2017年1月23日 (月)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、2016年11月の貨物船輸送量は1801万1000トンで前年同月に比べ7%増となった。油送船(タンカー)の輸送量は1104万3000トン(キロリットル)で2%増加。

貨物船に分類される貨物のうち鉄鋼は、前年同月が09年7月以来の低い輸送水準だったため10%増加。一方で雨天が多く荷役の中止や荒天による輸送障害もあり次月に繰り越された貨物もあった。原料は石灰石が前年同月にセメント需要の低迷や設備トラブルがったため低調だったが、ことしはこういったトラブルがなく微増。その他の原材料が増加し6%増。

燃料は38%増。石炭が前月に続いて、二次輸送の増加が見られたほか、一部に火力発電所向けの需要が高まった。大幅増加の要因として、前年夏に水力発電の高稼働が続いており、石炭の消費が繰り越されたため前年同月は輸送が減少していた。

紙・パルプは前月に続いて関東の在庫が減少したことにより北海道からの送り込みが増加。工場の休転や需要の減少で9%減。

雑貨は、北海道発の青果物(馬鈴薯、テンサイ)のほか、熊本地震の影響から関東の工場で飲料の代替生産を行っており、沖縄へ飲料の送り込みが続いている。また、前月開設の新規航路(清水-大分)も増加の一因となった。

自動車はメーカーの新型車投入により登録者販売が持ち直しつつあり3%増。セメントは関東・東北などで需要が安定しているものの減船もあり1%減少。

タンカーは2%増。全国的に低温となり下旬には冬型の気圧配置が現れたため、例年よりも早い降雪の地域が各所で見られた。白油は前月まであった製油所の定修やトラブルが解消された。寒波の到来で北向けの灯油需要が伸びた反面、低気圧の影響で不荷役や避難など輸送障害が発生したため1%の微増にとどまった。

ケミカルは定修明けで荷動きが活発化。京浜-瀬戸内の航路が低気圧の影響を受けにくいことや輸出増加に伴い製油所間転送が見られたことで10%増加。高圧液化は10%増。寒波の到来によりLPGの需要が増加した。また、FCCブタンの転送が見られた。

高温液体はアスファルトの需要減が見られ28%減、耐腐食は硫酸の増加は工業用の輸送が順調だったことや工場トラブルによる転送需要があった。苛性ソーダは円安傾向により輸出向けの輸送が出てきて7%増加。