ロジスティクス商船三井は1月31日、2017年通期決算の営業赤字額がこれまでの予想値より70億円少ない80億円になると発表し、経常損益とともに上方修正した。
為替が円安に振れたことに加え、コンテナ船事業の北米航路で積高が増え、運航コストの削減効果もあって、売上高が従来予想より690億円多い1兆4820億円(16年3月期は1兆7122億2200万円)になる見通しとなったのに伴い、経常損益予想もこれまでの30億円の赤字から80億円の黒字見通しに転じた。
ただ最終利益は「下落傾向にあるコンテナ船の船価マーケットの今後の動向や今後策定する将来のキャッシュフローによっては、保有船舶の減損の可能性がある」として、70億円の利益からゼロ予想へと下方修正した。
同日発表した2016年4-12月期(第3四半期)決算は、前年同期に比べて17.9%の減収、営業損益は20億7800万円の損失を計上。最終利益は前年同期に計上した関係会社株式評価損がなくなったことで大幅に改善した。
事業別では、コンテナ船の経常損益が前年同期より赤字が77億円増えて261億円の損失となったほかは、不定期専用船、フェリー・内航RORO船、関連事業などがいずれも売上を減らしながらも黒字を維持した。
日本郵船、川崎汽船との経営統合方針を発表しているコンテナ船事業は、船舶コストの削減、営業力強化による消席率の改善、空コンテナ回送費などの運航コスト削減を継続したものの好転せず、損失が拡大した。
■第3四半期(2017年3月期)
期初からの累計実績(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 | 直近3か月(百万円) | 前年同期比 |
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売上高 | 1,081,440 | -17.9% | -- | 353,481 | -22.4% |
営業利益 | -2,078 | -- | -- | 1,553 | -75.7% |
経常利益 | 13,811 | -64.4% | 1.3% | -- | -- |
最終利益 | 19,026 | 43.1% | 1.8% | -- | -- |