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内航総連調べ

昨年12月の内航輸送、油送船輸送量5%減少

2017年2月9日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、2016年12月の貨物船輸送量は1814万1000トンで前年同月並みとなった。油送船(タンカー)の輸送量は1132万トン(キロリットル)で5%減少。

貨物船に分類される貨物のうち鉄鋼は前年並み。雨天が多く荷役の中止や荒天による輸送障害もあり繰り越された貨物があった。原料はその他の原材料(鉄・スクラップ)が引き続いて増加。石灰石は石灰石専用船の入渠に伴って航海数の減少が見られたほか、需要の低迷が全体を押し下げて3%減だった。

燃料は1%増。冬期の需要で火力発電所向けの需要が高まったが、石炭専用船の入渠があり微増となった。紙・パルプは、前月に続いて関東の在庫が減少したことにより北海道からの送り込みが増加したことや製紙工場のマシントラブルが発生したことで計画外の輸送も見られ3%増加した。

雑貨は5%増。熊本地震の影響から関東の工場で飲料の代替生産を行っており、沖縄へ飲料の送り込みが続いている。自動車は2%増、メーカーの新型車投入により販売が持ち直しつつある。セメントは荷動きが低調となっており4%減少。

タンカーは5%減少。低気圧の発達や記録的な大雪、強い寒気が続き低温となった。黒油は寒さの影響で電力需要のスポットオーダーが見られたが、前年よりも荒天の影響を受けて船舶の稼働率が低下した。また、定修延長などの影響で転送需要の減少もあり10%減。

白油(ガソリン・灯油・軽油)は寒波の到来で灯油需要が伸びた反面、前年よりも時化による輸送障害が発生し、急激な需要をカバーできず6%減。ケミカルは7%増、荒天の影響を受けつつも製油所転送や輸出向けベンゼンなどの輸送の増加が見られた。高圧液化は2%増加。エチレンは生産量の減少に伴って輸送量は大幅なマイナスとなったが、LPGの需要が増加したことや製油所の不具合により転送需要も見られた。

高温液体は5%減、前年同月の輸送が好調だったのに対し需要は低迷。アスファルトは1月から価格の値上げとなったため、一部で駆け込み需要が見られた。耐腐食は苛性ソーダの輸出向けが堅調のため7%増となった。