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UPSが宅配実験、移動中のトラックからドローン離発着

2017年2月22日 (水)
UPSが宅配実験、移動中のトラックからドローン離発着
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話題米UPSは22日、トラックの屋根部分から離陸したドローンが貨物を自動で住宅に配達し、完了後、ほかの貨物を配達するために移動中のトラックに戻るテストに成功した、と発表した。

現地時間2月20日に米国フロリダ州タンパ市で行われたテストでは、オハイオ州を拠点とするバッテリー電動式トラックとドローンの開発会社「ワークホース・グループ社」が製造した電動UPSトラックとドローンを用いた。

UPSのマーク・ワレス副社長は「当社がこれまで行ってきたドローンのテストとは異なり、今後の実際の配達業務、特にトラックが1個の貨物を配達するために何マイルも移動しなければならないような地方での使用を示唆している」と述べ、今回のテストの成果が地方の宅配効率を高めるために用いられる可能性を示した。

テストでは同社がドローンの将来的な役割として想定する通り、ドローンが1件の配達を行う一方でドライバーはそのままルートを進み、別の配達を行うという内容で行った。集配トラックの屋根部分にドローンが搭載され、その下部に設置されたケージ(かご)が屋根のハッチを通じてトラック内部にぶら下がる。車内のドライバーがケージに貨物を入れ、タッチスクリーンのボタンを押すとドローンが離陸し、あらかじめ設定された住所まで、自律ルートで向かう。屋根にドッキングされている間に充電し、1回の充電で30分間の飛行、最大10ポンド(4.5キロ)の貨物を輸送する。

UPSが宅配実験、移動中のトラックからドローン離発着

「ドライバーが会社の顔であることに変わりはない。ドローンが配送ルート上の各所でドライバーを支援することで時間を節約し、eコマースの成長によって高まっている顧客サービスのニーズに対応できようになるといった可能性に期待している」

同社は昨年9月、米マサチューセッツ州ビバリー市の大西洋沿岸から3マイル(5キロ)離れた島まで緊急医薬品の試験輸送を実施。人道的支援でも広範囲にドローンを使用し、ルワンダでは、遠隔地に救命血液とワクチンを配達するため、第三者組織と提携した。自社倉庫内の高い棚にある在庫確認などでもドローンを活用しているという。