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16年度上期の内航輸送量が3.6%減少、内航総連調べ

2017年3月7日 (火)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた2016年度上期の内航輸送実績は、前年同期実績を3.6%下回る1億8767万5000トン(kl)となった。貨物船による輸送量は3.3%減の1億2039万8000トン。

品目別では、鋼材が0.9%減。自動車や建設向けの持ち直しや五輪施設関連の需要があったものの回復の遅れが目立った。中国からの鉄鋼製品の輸出が続いたこともあり、国内の在庫は過剰となって在庫調整は進展しなかった。

原料は3.2%減。セメントの原料である石灰石がセメントの需要の落ち込みに伴って減少。鉄の原料となる非金属鉱は外航船による送り込みが続き、内航船による横持ちの輸送が減少した。燃料は9.4%減。石炭は原発不稼働に伴う石炭火力発電所向けの需要も見られた。前年よりも夏季の気温が高温に推移し需要が高まった一方で、石炭火力発電所のトラブルや度重なる台風の接近や上陸による影響で輸送の障害が目立った。

紙・パルプは4%増。木材、パルプは増加したが、新聞用紙の販売不振により紙の輸送量は減少が続いている。雑貨は0.3%増。熊本地震発生に伴う米の緊急輸送や飲料製品の代替輸送が見られた。台風10号の影響でJR北海道根室線・石勝線が不通となり、繁忙期に入った農産物の出荷が停滞したため、貨物船による代替輸送(釧路港-八戸港)が見られた。

自動車は4.4%減。熊本地震により自動車工場が操業停止となったため、輸送にずれ込みが見られた。また、燃費不正問題、軽自動車の販売不振の影響があった。セメントは5.5%減。公共工事の減少、販売不振、天候不順があり輸送量は減少。穀物・肥料・飼料は0.8%増、機械プラントは31.7%増、砂・砂利・石材は8.6%減となった。

油送船による輸送量は、4.3%減の6727万7000トン(kl)となり、黒油が11.2%減、白油が2%減、油脂が3.6%減、ケミカルが0.4%減となった。特タン船は1.1%減。黒油は夏季に前年よりも気温が高温に推移したにも拘わらず、石油火力発電所向け需要の減少が表れた。白油は製油所間転送、冬季に備えての灯油の備蓄輸送も見られたが、製油所の定修・トラブルや台風の影響を大きく受けて減少した。

ケミカルは円安による輸出の増加が見られたが工場の定修期間が長引くなどマイナスも見られた。特タン船は塩ビモノマー、苛性ソーダに増加が見られた一方で、エチレンは生産減少の煽りを受け輸送量は減少した。