｢1個1円｣目指し低価格ICタグ開発着手、大日本印刷

サービス・商品大日本印刷は7日、IoTで利用されることを想定した低価格なUHF帯ICタグ（RFID）の開発に着手すると発表した。2020年までに単価5円以下、25年に1円のICタグの実現を目指すという。

同社が低価格タグの開発に乗り出すのは、特にコンビニエンスストアなどの小売業界における人手不足の深刻化を受け、経済産業省がRFIDの活用を積極化させている動きに対応したものといえる。

経産省では、店舗で販売する全商品のパッケージにRFIDを取り付け、店舗で個品管理による消費・賞味期限チェック作業の効率化や、レジの自動化による業務の省力化実現を目指しており、2月にはコンビニ店舗で商品にRFIDを付けた実証実験を実施。数年後にはコンビニ店舗でRFIDを付けた商品の採用、拡大が見込まれている。

小売業界のほかにもIoTによる業務効率化の一環としてRFIDを使用したいニーズが強いものの、10円台という現在の価格帯が導入障壁となっている。

そこで、大日本印刷は20年までに単価5円以下、25年に1円のRFIDの実現を目指し、部材や製造方法を最適化して低価格なRFIDの開発を目指す。現行のRFIDに搭載されているICチップの大きさは0.5ミリ角だが、同社は20年までにICチップメーカーと共同で0.3ミリ角サイズのICチップを開発し、このICチップを搭載したRFIDの製品化を行う。