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内航総連調べ

1月の内航輸送、貨物船輸送量5%増加

2017年3月10日 (金)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、1月の貨物船輸送量は1711万トンと前年同月に比べ5%上回った。油送船(タンカー)の輸送量は1096万トン(キロリットル)で5%減となった。

貨物船に分類される貨物のうち鉄鋼は輸送の予定数量は多かったが、荒天による輸送障害もあり次月に繰り越された貨物があり9%増加。原料は主要貨物の石炭石に減少が続く一方で、その他の原材料(鉄・スクラップ)、スラグ、非金属鉱に増加が見られて2%増。

燃料は5%増、石炭は冬季の電力需要で火力発電所向けの需要が高まった。一部の火力発電所で陸側設備の定検による航海数の減少も見られた。紙・パルプは、引き続き関東の在庫が減少したことにより北海道からの送り込みがある。板紙(段ボール古紙)は堅調だが、新聞用紙などの需要の低迷により6%減。

雑貨は7%増。玉葱、甜菜などの輸送が好調のほか、一部でフェリー船の入渠が見られたため貨物が流れてきている。熊本地震の影響から関東の工場で飲料の代替生産を行っており、沖縄へ飲料の送り込みが続いている。

自動車は登録者の販売が好調で5%増。セメントは前年が需要低迷により係船の船が見られるなど低水準だった。ことしは係船の船はなく1%増。

タンカーでは、黒油が低温により農業用のA重油などの需要の高まりがあったことや韓国のバンカーの高騰により、西日本地区でバンカー需要の増加が見られた反面、電力需要は減少、転送も減少した。さらに、荒天の影響を受けて不荷役、避難が見られて船の稼働率は低下し12%減少。

白油は、寒波の到来で灯油需要は旺盛だった反面、荒天による不荷役や避難などの輸送障害が発生し、玉不足やスポット船の手当ができず4%減。ケミカルは荒天により船の稼働率の低下や船の手当が困難になるなど輸送障害があった一方、製油所転送や輸出向けベンゼンの輸送が見られたため7%増加した。

高圧液化は5%増加。寒波の到来によりLPGの需要が増加したことや塩ビモノマーの需要の増加が見られた。高温液体は22%増。アスファルトは前年の輸送が低調であったため、今年は数量的には増加した。前月に見られた値上げ前の駆け込み需要がなく前月比では減少した。その他の高温液体はブドウ糖の輸送が好調だった。

耐腐食は1%減。硫酸、その他の腐食性液体は増加したものの、苛性ソーダの減少が全体を押し下げた。