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三菱自、部品調達EDIをSaaS型で構築

2012年3月7日 (水)

荷主ITホールディングスグループのTIS(東京都新宿区)は7日、三菱自動車工業の部品調達EDIをSaaS型で構築したと発表した。

 

三菱自動車では、同社のサプライチェーンマネジメント(SCM)を支える部品調達EDIのBCP対策として、オンプレミス型からクラウド型システムへの移行を検討していた。

 

三菱自動車が導入したシステムのインフラとなっているのは、TISの企業向けPaaS/IaaS「TISエンタープライズ・オンデマンド・サービス」で、従来から使用していたEDIパッケージ「ACMS」のクラウド環境へ移行したもの。

 

三菱自動車では、1989年からVAN方式の部品調達EDIを構築し、ホストのダウンサイジング化、WebEDI対応などの改良を図りつつ、生産ラインを支える要として安定運用を続けてきた。

 

現在では国内数百社の取引先(サプライヤー)が登録されており、自動車組立てに必要な部品はタイヤ、ガラス、シートなどのほか、ネジ1本までEDIを通じて発注が行われている。

 

同社では、東海大地震の発生リスクに備えるため、2007年の時点でEDIのBCP(事業継続計画)対策に着手していた。BCP対策の強化を模索するなかで着目したのが、耐震構造など災害対策が施されたデータセンター(DC)でシステムの運用を行うクラウドサービスの活用だったという。また、クラウドを利用すれば距離の離れた複数のDCでのバックアップ環境の構築が容易であるという点もBCP対策に有効だと考えた。

 

TISは、三菱自動車のEDIがスタートしてから現在に至るまで、「ACMS」をベースとしたシステム構築、保守運用業務を担当。三菱自動車のEDI基盤のクラウド移行の検討に際しても、当初からクラウド技術の最新動向などの情報提供に努め、自社で提供するクラウドサービスにACMSを組み合わせた提案を行った。

 

三菱自動車では、TISエンタープライズ・オンデマンド・サービスの信頼性や堅牢性、TISの東京と大阪の2つのDCで地域災害発生時のDRの拡張が可能であるという点などを評価し、最終的にはACMSがそのままクラウド環境で活用できる点が決め手となり、導入を決めた。