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内航総連調べ

2月の内航輸送、油送船輸送量7%減少

2017年4月13日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほどまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、2月の貨物船輸送量は1777万トンと前年同月に比べ2%上回った。油送船(タンカー)の輸送量は1044万トン(キロリットル)で7%減となった。

貨物船に分類される貨物のうち鉄鋼は2%増。自動車や建設向け需要の回復が見られた反面、荒天による輸送障害のほか、1月に発生したメーカー工場火災事故の影響があった。原料はその他の原材料(鉄・スクラップ)、スラグの増加が見られたが、主要貨物の石灰石がセメント需要減少に伴ってマイナスとなり2%減。

燃料は2%減。石炭は火力発電所向けの需要がマイナスに転じたため減少した。紙・パルプは、需要の低迷によるメーカーの在庫調整があり9%減。

雑貨は6%減。前年北海道を襲った台風10号の影響が出はじめたため、馬鈴薯や甜菜は、前年ほどの出荷量に及ばず低調。また、熊本地震の影響から関東の工場で飲料の代替生産を行っており、沖縄へ飲料の送り込みが続いている。

自動車は13%増。決算期に向けて登録車の販売が好調となっている。セメントは前年に比べて入渠船が少なかったため1%増

タンカーでは、黒油は冬季の需要期に当たるが電力需要は大きく減少したほか、荒天の影響を受けて不荷役、避難などが見られて船の稼働率は低下して20%減。

白油は、寒波の到来で灯油需要は旺盛だった一方、荒天による不荷役や避難などの輸送障害が発生し、玉不足などで手当ができず3%減。ケミカルは3%増。荒天により船の稼働率の低下が見られたが、製油所転送や輸出向けベンゼンなどの輸送が見られたため増加した。

高圧液化は1%増加。前月同様に寒波の到来によりLPGの需要が増加したことや塩ビモノマーの需要の増加が見られた。その他の高温液体はブドウ糖の輸送が好調だった。

耐腐食は7%減。その他の腐食性液体は増加したが、苛性ソーダの減少が全体を押し下げた。