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三井不レジ、宅配ロッカー利用効率向上へ4対策

2017年4月17日 (月)
空白

ロジスティクス三井不動産グループの三井不動産レジデンシャルと、フルタイムシステム(東京都千代田区)は17日、マンションに設置している宅配ロッカーの利用効率を向上させる「利用状況に適した宅配ロッカーの新構成によるBOX数の増加」「宅配ロッカーの入出庫回転率の向上を図る」「宅配ロッカーへの入庫数の減少を図る」「宅配ロッカーの利用情報閲覧サービス」――の4つの対策を行うと発表した。6月下旬に販売予定の大規模分譲マンション「パークタワー晴海」(東京都中央区)から段階的に対策を導入する。

近年の宅配物は数量が増加している一方でサイズは小型化しており、三井不動産レジデンシャルとフルタイムシステムが提供する既存マンションの宅配ロッカーでは「S」サイズ(W411×D546×H246ミリ)BOXの利用がロッカー利用全体の80%を占めている。

さらに、宅配サービス会社に実施したヒアリングでは、同社が取り扱う荷物のうち60%が、ロッカーのSサイズからさらに小さい「80サイズ」(3辺の合計が80センチまでの荷物)であることが分かった。

今回その対策として、小型荷物に最適な新サイズのロッカー「SS」サイズ(W411×D546×H108ミリ)のBOX を開発し、従来と同じ設置スペースで、より多くの宅配BOXを設けることができるようした。

たとえば総戸数50戸のマンションの場合、従来のロッカー構成ではBOX数8個となり、総戸数に対するBOXの割合は16%だが、新ロッカーではBOX数が12個に増え、総戸数に対する割合は24%になる。従来比で1.5倍のBOX数に増加させることが可能になった。

また、三井不動産レジデンシャルが過去に首都圏で分譲した300戸以上のマンションのうち、27棟に設置された宅配ロッカーを調査したところ、ロッカーに空きがないことを示す「満杯警報」の受信数が年間1万1490件におよぶことが判明。宅配サービス会社が配達に訪れてもロッカーに空きがない状態が1棟のマンションで1日平均1.2回発生していることになる。

そこで宅配ロッカーの入出庫回転率の向上を図ることにした。現在、宅配ロッカーの荷物が滞留した場合、フルタイムシステムが運用する「FTSコントロールセンター」によって、利用状況データを取得し、メール・FAX・自動電話による滞留通知を行うことで、荷物の取り出しを促しているが、今後はさらに改良し、4・10・20日目のサイクルで行っている滞留通知を、2・4・10・20日目のサイクルへと変更。滞留2日目の通知を追加することで、より早い荷物の取り出しを促す。

さらに、宅配ロッカーに荷物が届いた場合にマンションのメインエントランスで着荷を通知するサービスを実施する対策も改良。キーメーカー各社に開発を依頼し、メインエントランスだけでなく、キーシステムが設置されている全てのセキュリティーゲートでも着荷を通知するシステムを導入する。これより、メインエントランスを使用しなかったことで帰宅時に「着荷の有無が確認できない」という状況を防ぐ。

三井不レジ、宅配ロッカー利用効率向上へ4対策

加えて、既存のポストに入らないサイズであるため宅配ロッカーが利用されるケースが多いメール便が、宅配ロッカーのBOXに空きがなくなる原因となっていることから、宅配ロッカーへの入庫数の減少を図るため、「メール便対応ポスト」を集合住宅の郵便受けに導入する。

このポストは、投入口を流通数の多いメール便サイズ(W340×D260×H35ミリ)が投函できる大型のサイズとし、そこにメール便を投函してもらうことで、宅配ロッカーの利用頻度減少を図る。

また、配達ドライバーが、宅配ロッカーの満杯で住民不在時に宅配ロッカーに荷物を預け入れることができない状況を解決するため、「宅配ロッカーの利用情報閲覧サービス」を構築し、宅配サービス会社の配達員に提供する。

これによりドライバーは、専用ウェブサイトにログインすることで配達先のマンションの宅配ロッカーの空き状況を把握することができる。

この4つ対策のほか、パークタワー晴海では「コンシェルジュでの冷蔵・冷凍品預かりサービス」「各住戸専用宅配ロッカーの設置」を導入する。これらの対策で再配達ゼロに向けた取り組みを行う。

(画像:三井不動産レジデンシャル、フルタイムシステム)