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低温間仕切り兼ねる耐火断熱パネル、延床1.5万坪

CRE、最寄ICから0.7キロ「浦和美園」竣工

2017年4月17日 (月)
空白

拠点・施設シーアールイー(CRE)は17日、さいたま市の東北自動車道浦和ICから700メートルと近い立地が特徴の物流施設「ロジスクエア浦和美園」を14日に竣工したと発表した。すでに一部テナントの利用が決まっているが、同社は今後、施設の内覧会を実施して募集区画へのテナント誘致活動を進めていく。

同施設は都心部を見据えた関東エリア全域をカバーする物流の戦略的拠点として優れたロケーションで、首都高速川口線、東京外環自動車道へも接続しやすい。

東京メトロ南北線と相互乗り入れを行う埼玉高速鉄道浦和美園駅から450メートル(徒歩6分)と極めて近く、周辺にUR都市機構による大規模な複合型まちづくりが進むことと併せて雇用を確保しやすい点も優れている。

建物は2万4094平方メートル(7288坪)の敷地に地上4階建て、延べ面積5万2372平方メートル(1万5842坪)、ワンフロアの広さは3800坪で、3階部分へ大型車両が直接乗り入れることができるスロープを設け、トラックバースを1階、3階に備える。

場内出入口は3‐4階テナント専用ゲートを設け、1‐2階テナントとの敷地内トラック動線を完全分離することで場内車両渋滞や接触事故防止に配慮。1階、3階のトラックバースは大型トラック計44台が同時に接車できる仕様とした。

倉庫部分の床荷重は1.5トン(1平方メートル)、有効高は一部を除き各階6メートル以上、平均照度300ルクス以上、荷物用エレベーター(4.1トン)を8基設置するなど高いスペックを備え、垂直搬送機の設置や事務室の増設、倉庫内の空調機設置など、将来のスペックアップに対応するマルチテナント型物流施設となる。

倉庫内の防火区画壁には、倉庫業法で定められた壁強度(2500N/平方メートル)を備える耐火断熱パネルを採用。耐火断熱パネルは、法令で定められた耐火性能を満たしつつ、マイナス10度帯までの冷蔵冷凍倉庫の間仕切り壁として使用することが可能で、入居テナントが冷蔵冷凍設備を導入する際の初期導入コストを圧縮し、外壁のサンドイッチパネルとともに冷暖房設備設置時の熱負荷低減に役立つ。鋼板製のパネル仕上げによる倉庫内の美観向上と合わせ、施設の就業環境改善につながる工夫だといえる。

耐火断熱パネルは、従来のALC(軽量気泡コンクリート)や軽量鉄骨造の防火区画壁と比較して耐震性能が大幅に高まっており、同社開発物件の標準装備としている緊急地震速報システムの導入、AEDの設置や耐震型設備配管の採用、トラックバース、3階車路の泡消火設備の設置などと合わせ、入居テナントのBCP(事業継続計画)策定に貢献する。

トラックヤードや待機スペースなどの大型トラックが通行するエリアの舗装には、塑性変形抵抗性に優れ、わだち掘れの発生を抑制する「半たわみ性舗装」を全面採用。従来、白色だった「半たわみ性舗装」に黒色顔料を添加して誘導ラインなどの視認性を高め、場内の安全性に配慮するとともに、車両のタイヤ跡を目立たせないことで舗装面の恒久的な美観維持にも寄与する。

CASBEE埼玉県のAランク認証、BELS最高ランク「★★★★★(5つ星)」評価を取得している。

■ロジスクエア浦和美園の概要
所在地:埼玉県さいたま市緑区(さいたま都市計画事業大門上・下野田特定土地区画整理事業施行地区内)
用途地域:準工業地域
敷地面積:2万4094.97平方メートル(7288.72坪)
建築面積:1万4549.52平方メートル(4401.22坪)
延ベ面積:5万2372.92平方メートル(1万5842.80坪)
主要用途:倉庫(倉庫業を営む倉庫)
構造・規模:柱鉄筋コンクリート造プラス梁鉄骨造
工期:2016年2月15日-17年4月14日
設計:錢高組一級建築士事務所
施工:錢高組東京支社