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川崎汽船決算、コンテナ船損失膨らみ最終赤字1400億円

2017年4月28日 (金)

話題川崎汽船が4月28日に発表した2017年3月期決算によると、最終損益は940億円の赤字としていた1月末時点の見通しから454億円下振れし、1394億円の大幅な赤字を計上した。

来年4月の邦船3社のコンテナ船事業統合を控え、収益性の低下が深刻な同事業で509億円の特別損失を計上、事業再編関連損失として479億円を引き当てたほか、保有船舶の価値を実態に合わせて引き下げたのに伴い、減損損失172億円が発生した。

コンテナ船事業では、歴史的な低水準の運賃市況レベルを記録した昨年の状況から年度後半に「一定の運賃市況回復が見られた」ものの、想定水準までの回復には至らず、収益性の低下が長期化。

同事業で保有船舶の資産価値を見直した結果、回収可能な額まで帳簿額を引き下げ、減損損失を認識する必要があると判断した。また、事業再編でも将来の損失と用船契約に関連する損失の引き当てが必要だとして、新たに509億円の損失が発生した。

コンテナ船事業以外でも、エネルギー資源価格の低下に伴って重量物船と海洋資源開発の2事業でそれぞれ96億円と46億円の損失を計上し、前3月期末決算に計上する特損がトータルで651億円に達した。

同社は17年度を初年度とする3か年の中期経営計画を策定しており、17年度以降3年間の黒字化と自己資本比率20%半ばに向けた積み上げなど、財務体質の改善と事業基盤の安定化を最優先に取り組む方針。

■2017年3月期

期初からの累計実績(百万円)
前年同期比
対売上高利益率
売上高
1,030,191-17.2%--
営業利益
-46,037----
経常利益
-52,388----
最終利益
-139,478----