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阪神阪神エクス、メキシコから大阪の動物園へカバ輸送

2017年5月10日 (水)

▲右が小高毅氏(阪急阪神エクスプレスロジスティクス事業部ロジスティクス事業推進課課長)

ロジスティクス阪急阪神エクスプレスは9日、メキシコから大阪へ4歳雄のカバ1頭の輸送を行ったと発表した。

カバは絶滅危惧種に指定されている偶蹄(ぐうてい)類で、今回輸送した1頭は希少動物保全のための国際的な動物交換プログラムに基づき、メキシコシティー近郊プエブラの動物園アフリカンサファリから大阪市の天王寺動物園へ寄贈されたもの。

カバの体重は1.5トン、輸送用の檻も大きく、貨物専用機で輸送した。経由地であるロサンゼルス空港の濃霧の影響で当初予定便に搭載できないアクシデントも発生したが、1日遅れのスケジュールでバックアップでき、メキシコシティー空港を3月14日の19時(現地時間)に出発、ロサンゼルス空港で積み替えて日本時間3月16日の10時55分に成田空港に到着した。

カバは、当日中に横浜の農水省動物検疫所に転送され、15日間の係留検疫の後、4月1日に輸入通関、同日夜に天王寺動物園に無事搬入された。一般公開日はまだ決まっていないが、天王寺動物園では5月中旬ごろから、公開に向けてカバのトレーニングが開始される。

動物輸送チームの小高毅氏(阪急阪神エクスプレスロジスティクス事業部ロジスティクス事業推進課課長)は、「今回は、メキシコのアフリカンサファリでの引取りから全ての行程を手配した。3月初旬のメキシコ出張で現地側と綿密に輸送計画を打合せ、同13日に予定のフライトが飛び立つのを待つばかりだったが、搭載1時間前に、経由地のロサンゼルス空港濃霧のためフライトキャンセルとなり、一気に状況が変わってしまった。バックアップフライトの確保はもとより、日本側での輸入手順も全てリセットしなければならない、なにより輸送時間の長期化に対するカバの健康状態確保が心配だった」と語る。

「日本、メキシコ、アメリカの関係者間で緊急テレビ会議を断続的に開催し、スケジュールの再調整に追われた。一旦、メキシコ発翌朝のフライトを確保したがロサンゼルスでの接続時間(滞在時間)が長過ぎることから、米農務省(USDA)の転送許可が下りないことが分かり、最終的にメキシコ発翌日19時発の同じフライト、ロザンゼルス発はサンフランシスコを経由するフライトのスペースを確保、何とか1日遅れのスケジュールでリカバー、並行して適切な追加ケアも手配でき、カバの健康状態も維持することができた」と話した。