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日産化学、動物用医薬品原薬の製造強化

2017年5月12日 (金)

荷主日産化学工業は、このほど動物用医薬品原薬フルララネルの生産拠点を追加し、3月から2か所の外部委託先で製造を開始した。また新規殺虫剤「グレーシア」の原体「フルキサメタミド」の製造設備を小野田工場(山口県山陽小野田市)に新設することを決めた。

フルララネルは、メルク社(米国)のアニマルヘルス事業部門が販売する動物用医薬品「ブラベクト」の有効成分。フルララネルの生産体制を強化、安定供給に取り組むことで、今後も伸長が見込まれるブラベクトの需要に対応する。

ブラベクトはペット用外部寄生虫薬で、ノミ、マダニの主要種に対し即効性に優れ、通常1か月ごとに投薬する既存製品よりも殺虫効果の持続性が長く、一度の投与で12週間にわたって持続する。

2014年にEUと米国などでチュアブルタブレット(経口投与製剤)が発売され、現在は日本を含め80か国以上で販売されている。16年にはイヌに限定されていたチュアブルタブレットに加え、ネコとイヌを対象としたスポットオン(経皮吸収剤)製品の販売も欧米ではじまった。

また、グレーシアの原体製造設備については「計画が予定通り進み19年の上市が見込めることになった」として、14億円を投資して新設することにしたもので、18年7月の完成を目指す。

グレーシアは広範囲の重要害虫に有効で、訪花昆虫であるミツバチへの影響が少ないなどの特長を持つ。