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日本ガス協会、CNGトラック「復権」目指し実証実験

2017年5月12日 (金)
空白

話題日本ガス協会は12日、「高効率天然ガストラック」の実証走行試験を4月から開始したと発表した。運送事業者の業務に車両を使用してもらい、燃費と環境性の向上を確かめるとともに、使い勝手を検証する。

4月24日には東京ガスの「ガスの科学館がすてなーに」(東京都江東区)で試験車の出発式を開催。行政や運送事業者など関係者70人が出席した。

ディーゼルトラックの環境性能が著しく向上する一方、地球温暖化対策やエネルギーセキュリティに役立つとして期待されたCNGトラックは、2005年からモデルチェンジがなく、ディーゼルトラックに対する優位性も縮小傾向にあることから、高効率なCNGトラックを開発し、自動車メーカーに量産化を促す狙い。

試験期間は2年間で、日本ガス協会が環境優良車普及機構に委託して実施する。CNGトラックの運行で多くの実績がある佐川急便と新潟運輸に協力を求め、佐川急便は2トントラック、新潟運輸は3トントラックを実務で使用する。

自動車部品メーカーのHKSがディーゼルトラックをCNG仕様に改造したトラックには、2トン、3トンともに排気量3リットルの過給器(ターボ)付エンジンが搭載されているが、小排気量化による出力やトルクの不足をターボで補うとともに、効率向上を図る。

実証走行試験は二段階で実施する計画で、2017年度は通常のバルブタイミングのエンジンを使用。18年度はバルブが閉じるタイミングを変更して圧縮比よりも膨張比を大きくするミラーサイクル技術を採用し、さらに高効率化を進めたミラーサイクルの新エンジンを搭載する。

ミラーサイクルの新エンジンは、ディーゼルエンジンと同等の出力・トルクを維持しつつ、高効率化によりCO2排出量を現行のCNGエンジンよりも、さらに10%削減することを目指している。

走行試験終了後は開発した技術の概要を公開し、自動車メーカーの量産化に役立ててもらう計画だという。