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第一中央汽船、英国の損賠訴訟で勝訴確定

2017年5月12日 (金)

ロジスティクス第一中央汽船は12日、鹿島港外で2006年に定期用船した貨物船が坐礁・全損し、船主から英国の裁判所で1億3760万ドルの損害賠償を求められていた裁判で、同社の勝訴が確定したと発表した。

10日に英国最高裁が船主の主張を退けた二審判決を維持する判決を言い渡した。今後、第一中央汽船は船主に対し、訴訟費用の回収を行う。

同社は荷主から受託した鉄鉱石の海上運送を行うため、中国・北京のチャイナ・ナショナル・チャータリング社からケープ型ばら積み貨物船「オーシャン・ビクトリー」号を一航海限りで06年9月に定期用船し、その翌月10月24日に天候悪化で荷揚港の鹿島港外で坐礁、同年12月27日に全損となった。

この事故で船主のチャイナ・ナショナル・チャータリング社は、定期用船者の第一中央汽船に対し、「定期用船契約で定められた安全港、安全岸壁提供義務の不履行がある」と主張して10年6月21日、英国高等法院に1億4200万米ドルの損害賠償を求めて訴訟を起こした。

13年7月30日、高等法院は第一中央汽船に船主へ損害賠償金1億3760万米ドルと金利2900万米ドル、訴訟費用の支払いを命じる判決を言い渡す。第一中央汽船はこの判決を不服として英国控訴院に控訴。15年1月22日に控訴院は同社の控訴を全面的に容認して一審判決を取り消し、船主に訴訟費用を支払うよう命じたが、今後は船主が二審判決を不服として英国最高裁に上告。最高裁は「鹿島港は非安全港ではない」と判断した二審判決を維持した。