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1-3月のトラック運送景況感2.5P悪化、全ト協調べ

2017年5月16日 (火)

ロジスティクス全日本トラック協会(全ト協)が16日に発表した、1-3月期のトラック運送業界の景況感速報によると、昨年同期に比べ景況感の判断指数は-15.3となって前回の-12.8から2.5ポイント悪化したことがわかった。

全ト協は、「一般貨物で輸送数量や実車率はほぼ横ばいで推移するなか、軽油価格が1月以降上昇したこと、人手不足による運転者の人件費の増加により、営業利益は悪化の傾向を見せている」と分析。

4-6月期の判断指数は、国内の貨物量減少の懸念、燃料コストや人件費の高騰に対する先行きの不透明感から、今回から10.1ポイント悪化して-25.4の見通しとなっている。

■一般貨物、輸送数量の判断指標0.6P悪化
一般貨物では、輸送数量を「減少」とする事業者が29.3%、「増加」が23.1%で、判断指標は-7.9%となり、前回(-7.3)から0.6ポイント悪化した。営業収入では減少が30.7%、増加が25%で、判断指標は-7.4%となり、前回(-7)から0.4ポイント悪化。営業利益は減少が35.9%、増加が19.5%で判断指標は-20.1となり、前回(-9.5)から10.6ポイント悪化。

4-6月期は輸送数量・営業収入がやや悪化、営業利益はわずかに悪化の見込み。

■宅配貨物の営業利益26P悪化
宅配貨物は輸送数量の減少が16.7%、増加が36.6%で、判断指標は23.3となり、前回(16.2)から7.1ポイント改善した。営業収入では減少が30%、増加が40%で、判断指標は10となり、前回(13.5)から3.5ポイント改善。営業利益は減少が36.6%、増加が16.7%で、判断指標は-23.3となり、前回(2.7)から26ポイント悪化した。

宅配以外の特積貨物では、輸送数量は減少が17.2%、増加が24.1%で、判断指標は5.2となり、前回(-9.4)から14.6ポイント改善。営業収入は減少が15.5%、増加が22.4%で、判断指標は5.2となり、前回(-17)から22.2ポイント改善した。営業利益は減少が18.9%、増加が15.5%で、判断指標は-5.2となり、前回(-1.9)から7.1ポイント悪化した。

4-6月期は宅配貨物が輸送数量、営業収入は悪化、営業利益はほぼ横ばいの見込み。宅配以外の特積貨物は、輸送数量がやや悪化、営業収入はやや改善、営業利益はほぼ横ばいの見込み。

■運賃・料金水準、宅配貨物が24.8ポイント改善
運賃・料金水準は、一般貨物が2.3(前回-2.7)と5ポイント改善、宅配貨物は16.7(前回-8.1)と24.8ポイント改善、宅配以外の特積貨物は12.1で(前回-7.5)から4.6ポイント改善となっている。

4-6月期は、一般貨物がわずかに上昇、宅配貨物と宅配以外の特積貨物はやや上昇の見込みとなっている。

■労働力不足感強まる
実働率は-4.6(前回-3.7)と0.9ポイント悪化、実車率は-3.4(前回-3.3)となり、0.1ポイント悪化となった。雇用状況(労働力の過不足)は88.8(前回77.3)と11.5ポイント上昇し、不足感が強くなった。

採用状況は-3.8(前回-6.6)で指標は2.8ポイント増加し、所定外労働時間は-4(前回-2.4)と1.6ポイント減少している。貨物の再委託(下請運送会社への委託割合)は3.1(前回0.4)で2.7ポイント増加となった。経常損益は-14.3(前回-1.8)となり、12.5ポイント悪化となった。

4-6月期は実働率、実車率はやや悪化の見込み。雇用状況は指標の水準がやや上がり、不足感が強まる見込み。採用状況は水準をわずかに下げ、所定外労働時間、貨物の再委託はやや悪化、経常損益も指標の水準をやや下げる見込み。

■大・中・小規模事業者すべて悪化
事業者の規模別では、大規模事業者が-6.1(前回-2.2)と3.9ポイント悪化、中規模事業者は-11.4(前回-10.6)となり、0.8ポイント悪化、小規模事業者は-25.5(前回-20)と5.5ポイント悪化となっている。

一般貨物の主な取り扱い品目別では、消費関連貨物が-8.9(前回-8.7)と0.2ポイント悪化、建設関連貨物が-33(前回2.7)と35.7ポイント悪化、機械関連貨物が-14.17(前回-27.3)と18.2ポイント改善、「その他貨物」が-15.6(前回-19.9)と4.3ポイント改善。

一般貨物業界の景況感を地域別にみると、北海道、東北、関東、北陸信越、中部、四国は水準を下げている傾向だが、近畿、中国、九州は水準を上げている。

4-6月期は規模別で大規模事業者、中規模事業者、小規模事業者ともに悪化の見込み。取扱い品目別では、消費関連貨物は水準を下げ、建設関連貨物は横ばい、機械関連貨物、その他貨物は、水準を下げる見込み。地域別では、北海道は水準を上げ、東北、近畿はほぼ横ばい、関東、北陸信越、中部、中国、四国、九州は水準を下げる見込み。