ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

国内418有人離島の血液検体搬送でドローン活用検証

2017年5月25日 (木)

サービス・商品インフォコム(東京都渋谷区)は25日、無人飛行機(ドローン)を活用した血液検体搬送に参画すると発表した。

広島大学医学部(救急集中治療医学)の貞森拓磨客員准教授が提案した事業が総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)地域ICT振興型研究開発枠に採択された。

緊急時に必要な血液検体などをドローンで搬送するため、NTTドコモ、モバイルクリエイト(大分市)、ciDrone(同)とともに広島県大崎上島町で実証実験を行う。同社はこの実験で携帯電話回線を使用した映像伝送システムの運用と検証を実施する。

この取り組みは、医療過疎地域で緊急性の高い血液検体や医療資材を搬送する新たな手段の構築を目指したもので、同社は「国内に418島ある有人離島、過疎市町村616団体の地域医療で、人手(自動車輸送)に頼っていた部分を自動化できる可能性」があるとみている。

実証検証フィールドの大崎上島町は、瀬戸内海のほぼ中央に位置する県内唯一の離島で、島へのアクセスは船のみ。総人口7834人、4307世帯に対し、医院は5つしかない。

今年度は、医療過疎地域の医療機関で緊急時の検体検査の実態を調べ、既存の技術を組み合わせた携帯電話回線を利用した無人航空機の自動飛行、狭帯域での映像伝送などを行う。また、ドローンで運搬された検体の状態変化なども検証する。来年度以降は、今年度得た検証結果をもとに、より長距離の搬送を安全に行うため、ドローンの改良を行う。