川崎重工、新形状のLNG船タンク開発

荷主川崎重工業は5日、新形状のLNG運搬船用モス型LNGタンクを開発したと発表した。

近年LNGは、発電用燃料としての需要増加に伴い海上輸送量が増大しており、新パナマ運河を通峡できる船幅制限を保持した上で、大容量化による輸送効率向上のニーズに応えたLNG運搬船が期待されつつある。

新形状のモス型LNGタンクは、従来の15万5000立方メートル型LNG運搬船に搭載されている真球タンクと比較し、タンク幅・長さを変更せず、積載容量を15％増加。これにより総容量18万立方メートルLNGを貯蔵し、新パナマ運河も通峡可能なLNG運搬船を実現する。

従来のストレッチ球形タンクと比較し、タンクの高さを低く抑えることで、船橋からの視界や船体の復原性が向上。タンクを構成しているアルミ合金製パネルが球面殻であることから、船体動揺により生じるスロッシングの影響をほとんど受けず、積み付け制限を必要としない。

独自技術で世界最高レベルの性能を有する「カワサキパネルシステム」を防熱システムに採用可能で、ボイルオフガスを低減し、積荷運搬時の損失を抑制する。

基本承認を日本海事協会、アメリカ船級協会、DNV GLの3機関から取得した。