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物量・人員予測精度高め、誤差5%以内実現

PAL、AI活用のセンター運営システム実用化にメド

2017年6月15日 (木)
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ECPAL(大阪市西区)は15日、AIを用いて物流センターの物量予測や人員配置を最適化する仕組みに実用化のメドがついたことを明らかにした。一定規模以上の拠点に導入することで、誤差5%以内の物量予測やスタッフのシフト調整が可能になるほか、計画的なセンター運営が可能になるため物流ロボットが導入しやすくなるなどの効果を見込む。15日以降、物流・荷主企業からの導入相談を受け付ける。

同社の取り組みは、北海道大学調和系工学研究室、AI TOKYO LAB(エーアイ・トーキョウ・ラボ)との産学連携プロジェクトとして、昨年11月に共同研究に着手したもので、自社拠点への導入効果を見きわめた上で大手物流会社5社の拠点にテスト導入した結果、実用化のメドが立ったと判断した。

同社によると「これまでの物量・需要・販売予測と呼ばれてきたものは“外れる”のが一般的な認識で、あまり期待できるものではなかったが、一定量以上の物量を取り扱う過去データを蓄積することで、精度を高められると考えた」と、開発に至る経緯を説明。

「データを整理し、AI(人工知能)による機械学習を導入することで、さらに高精度な予測が可能だと考え、北海道大学の研究室、開発ベンダーのエーアイ・トーキョウ・ラボとともに開発を開始した」という。

開発は自社の物流拠点を活用して進めた。労務原価が15%程度低減したことを確認できたとして、大手物流会社に導入テストを提案し、5社でトライアルを実施。現在も細かな課題の抽出やカスタマイズを続けているが、「十分、実用できるメドが立った」と判断し、外販先の募集に踏み切ることを決めた。

ほぼ完成に漕ぎ着けたシステムは「AIクロスタ」と命名した。導入に適した規模は「1センター50人以上の拠点」で、勤怠実績をAIにかけて精度の高い勤務シフトを出力し、それに変動要因となる販促データ、新商品データなど加味。チームごとに算出される物量予測データとスタッフからの希望を総合して自動調整する仕組みだという。

トライアルを実施している拠点では、いずれも予測と実績の誤差が5%以内に収まっている。同社は「通常、跳ね上がる物量に対応できない場合は短期募集で対応するが、これがコストを押し上げる大きな要因となる。AIクロスタを導入することで、余剰人員を抱える必要がなくなる」と説明し、人員の最適化によってセンター運営や募集活動を計画的に行うことができる効果を強調する。

こうした結果を踏まえて一般公開を決めた同社は、導入検討企業の募集をスタートさせるとともに、業界ごとの「チューニング」を急ぎ、秋頃をメドにクラウド方式で提供する方針を固めた。

一般公開に合わせ、同社とエーアイ・トーキョウ・ラボでは、「年内に100センター」への導入目標を設定し、導入支援体制を整備した。導入にかかる期間は、セットアップに3か月、導入企業の実態やニーズに合わせたチューニングに3か月――の合わせて6か月程度を想定。「データが揃ってないケースも少なくない」場合でも、導入支援チームが関与することで、長くとも9か月程度で運用を開始する。

同社では「計画的なセンター運営には、物量予測を正しく出すのが最重要。AIクロスタはAIを活用した人員シフトだけでなく、センターのさまざまな段階の予測結果がわかる」点を強調する。計画的なセンター運営が可能になることによって、物流ロボットなどに投資しやすくなる効果も見込んでいる。

■問い合わせ先
PAL経営企画室(担当:芦田慎作氏)
メール:s_ashida□pal-style.co.jp
※ メール送信時は□をアットマークに置き換え