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内航主要60社の4月貨物船輸送量8%増加

2017年6月15日 (木)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた内航主要オペレーター(60社)の輸送動向調査によると、4月の貨物船輸送量は1745万3000トンで前年同月比8%増加で、油送船(タンカー)の輸送量は1013万3000トン(キロリットル)で前年並みだった。

貨物船に分類される貨物のうち、鉄鋼は17%増加した。引き続き自動車需要の増加が見られた。5月に厚板工場の修繕が予定されているため製品出荷の前倒しがあった。

原料は主要貨物の石灰石はセメント工場の定修により減少したが、その他原材料の増えたことで3%増加。燃料は前年並み。石炭は前年同月が火力発電所の定修により減少したが、ことしは目立った定修はなくプラスとなった。

一方で、コークスはマイナスとなり全体としては前年並み。紙・パルプは3%増加した。前年が長期間に亘って入渠した船があったため輸送量は減少。今月はそういった船がなかったため増加した。

雑貨は5%減少。排ガス規制前の建機の駆け込み需要や、熊本地震の影響から関東の工場で飲料の代替生産を行っており、沖縄へ飲料の送り込みが続いている一方で、前年の北海道を襲った台風10号の影響で農産品の出荷の低迷が継続しており、全体としては減少した。

自動車は、前年の出荷が熊本地震や燃費問題などで低水準だったことに加え、新型車の販売が堅調で21%増加した。セメントは、五輪需要がある一方で、セメント工場の定修が入り出荷は伸び悩み1%増にとどまった。

タンカーうち、黒油は前年が低水準の輸送量だったため微増となり1%増加。白油(ガソリン・灯油・軽油)は、灯油の季節的な需要の減少が見られたほか、製油所の定修により輸送距離が伸びた結果、輸送量が減少し2%減少した。

ケミカルは内需のほか、輸出向けの輸送需要で8%増。高圧液化は18%増加。前年LPGの輸送は低水準だったが今月は回復したため全体を押し上げたほか、塩ビ管用の輸出向け塩ビモノマーの需要が好調となった。高温液体は11%減少。アスファルトは年度末の工事需要が落ち着いたことなどで減少。耐腐食は6%減。

苛性ソーダは、値上げ前の駆け込み需要がなくなったことに加え海難事故による輸送の停滞が全体を押し下げた。その他の腐食性液体(酢酸)は引き続き、工場の定修により減少した。