ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

JFEスチール、「全社一元在庫管理」する次世代型SCM

2017年6月21日 (水)

サービス・商品JFEスチールは20日、次世代のサプライチェーンマネジメントの基盤となるデータベース「JFE統合現品DB」の本格運用を開始したと発表した。

JFE統合現品DBは、すべての現品の現在・過去・未来の情報を保有する。現在のステイタスをはじめ、「どの工程をいつ通過した」といった履歴情報、最新の次工程以降の通過予定と製品完成予定を、現品に紐付けて保有している。

すべての現品に対し、それぞれ現在・過去・未来の情報を持っている。各データの提供元である製鉄所とリアルタイムで情報連携し、24時間365日稼動に対応。現品情報のトレーサビリティ強化を図っており、開発済みの進捗照会システムで日々変動する工場の生産スケジュールをリアルタイムで反映した、最新の製品完成予定情報を全社と顧客で共有。これにより、スピーディーなデリバリー・納入業務を行うことが可能となる。

これまで、製鉄所のみが把握していた予備材料などの情報も、本社含めた全社で一元的に管理することが可能になる。これまでは各製鉄所で保有していた品質情報も、統合品質DBとして本社で一元的に把握できるように整備した。

一日に数百万件以上の情報を処理する「ビッグデータ」でもあり、JFE統合現品DBにある詳細な現品情報と従来から保有している注文や引取などの情報を組み合わせて解析することに加え、同一品種や同一工程の製鉄所間比較などにより、全社的な視点での課題発掘も可能にする。

同社独自の出荷・納入システム「One JFER」とも連携。リアルタイムで正確な現品情報に基づき、各製鉄所の生産管理や物流部門だけでなく、顧客とも現品の出荷・納入の予定を共有することができる。

JFE統合現品DBは、サプライチェーンの「全社最適解」を目指した、鉄鋼業の次世代SCMを支えるデータベースとしている。製鉄所を横断した、全社での現品データベースの運用は、国内業界初。

現在は、薄板と厚板で稼働しており、今後は適用品種の拡大、JFE統合現品DBを活用した既存システムの向上を目指す。