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TRC、17万m2の大型施設「物流ビルB棟」竣工

2017年6月30日 (金)
空白

国内東京流通センター(TRC)は6月30日、東京都大田区で2015年8月から構内再開発第一弾として進めてきた「物流ビルB棟」が同日竣工したと発表した。

施設は、地上6階建て延床面積17万1300平方メートルの次世代・都市型物流施設で、東京都心から10キロに位置し、首都圏広域への配送に優れるほか、羽田空港からは直線距離で2.6キロ、また大井ふ頭も近いため、全国配送や国際物流にも適した立地にある。

賃貸借室の基本区画は430坪で、1フロア最小160坪から最大6720坪まで組合せが可能。将来的な面積拡張にも対応できることから、大型マルチテナント型物流施設では珍しい最小160坪からのスモールスタートや1フロア6720坪で大規模な物流オペレーションを構築するなど、使い方に合わせた利用ができる。

設備には、総計3キロの歩行者専用の外廊下(歩廊)を設置。全区画への歩行者と車両のアクセスを完全に分離し、歩行者の安全性の確保と物流業務の効率性を両立。

歩廊の上に設備バルコニーを設けることにより、賃貸借室から近い場所への室外機設置が可能となり、テナントによる空調機設置工事が容易な仕様とした。

10メートル×11メートルの柱スパンと、梁下有効高5.5メートルと空間が広く、自由度の高いレイアウトを可能とする。十分な電気容量を確保したことで、空調設備、冷凍・冷蔵庫、マテハン機器などの造作工事がしやすい環境を整えた。

防災対策の一環として免震構造を採用。万が一の震災時であっても、荷物の転倒や震災後の建物補修を最小限にすることでテナントのBCP対策に配慮した。

環境対策には、施工会社である大林組が2010年に開発した、低炭素型コンクリート「クリーンクリート」を免震装置下のマットスラブ(耐圧盤)に採用した。クリーンクリートはセメントの大部分を高炉スラブ微粉末などの産業廃棄物に置換することでCO2排出量を大幅に低減することができるため、一般のコンクリートに比べCO2排出量を8割程度削減する。

また、同社子会社が運営する飲食店舗「TRCクラブアーコレード」が7月下旬にオープン。ダイニングルームでの商談や会食、会議室でのランチミーティングのほか、メインフロアを利用した大人数でのパーティーにも対応可能としている。加えて、南北2か所にテーマやデザインの異なる休憩スペースを設け、リフレッシュ空間の充実を図った。

これらのことから、日本政策投資銀行が環境・社会への配慮が優れた不動産を認証する「DBJ グリーンビルディング認証」で最高評価である5つ星「国内トップクラスの卓越した環境・社会への配慮がなされたビル」の認証を取得している。

なお、今回の建替計画にあたっては、50年にわたってTRCの「象徴」となってきた桜の木の伐採を最小限に留め、工事を行ってきた。竣工を記念して新たに植えた若い木だけではなく、従前からの桜並木を残し、景観の豊かさを実現した。

■「物流ビルB棟」概要
所在地:東京都大田区平和島6-1-1
構造:SRC-S造免震構造(ランプウェイ含む)
階層:6階建て
延床面積:17万1300平方メートル(5万1800坪)
賃貸面積:13万500平方メートル(3万9500坪)
大型車両対応ランプウェイ:2基(1-6階)
賃貸借区画:160坪からフロア最大6720坪(基本区画430坪)
床荷重:1平方メートルあたり1.5トン
有効天井高:梁下5.5メートル
柱スパン:10メートル×11メートル
倉庫床レベル:全賃貸借室高床式1メートルプラットホーム
電気容量:100ボルト電源(1区画あたり28キロボルトアンペア)、200ボルト電源(1区画あたり63キロボルトアンペア)
その他:全館24時間365日使用可能、ドックレベラー1区画あたり1か所
竣工日:2017年6月30日