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ウェザーニューズ調べ

北極海ロシア側航路、8月中旬までに開通見込み

2017年7月13日 (木)
空白

話題ウェザーニューズの発表によると、今夏の北極海の海氷は例年を上回るペースで融解が進み、最小面積が観測史上2番目に小さくなる見込み。北東航路(ロシア側)は8月中旬、北西航路(カナダ側)は9月上旬に開通する見通しだという。

北極海の海氷域面積は現在、800万平方キロで、例年を上回るペースで融解が進む。9月中頃には390万平方キロまで縮小し、観測史上最小を記録した12年の328万平方キロに次ぐ、2番目に小さい面積になる見込み。

特にロシア沿岸域の融解が速く、チュクチ海ではベーリング海峡を中心に記録的な速度で開水域が広がっている。冬-春にかけて海氷の流動が強く、海氷が融解しやすい状況になっていたことが原因だとみられる。

一方、カナダ沿岸域やグリーンランド周辺では海氷が例年以上に残り、この時期としては厳しい氷況となっているところがある。「地球温暖化によって北極海の海氷が長期的に減少傾向にあり、以前よりも流動的になったことで、高緯度域からこれらの地域に海氷が流れ込みやすい状況になっている」ことが理由として考えられるという。

今後も海氷の融解が続き、ロシア沿岸域では8月中旬までに開水域が東西でつながり、北東航路は開通が遅れた昨年と比べて1か月早く開通する見込み。カナダ沿岸域も9月上旬までに大半の海氷が融解し、北西航路が開通する予想だ。

ロシアではLNG開発プロジェクトが活発化し、極東からの建設資材やモジュール輸送、生産開始後のLNG輸送のため北極海航路の活用も期待されていることから、同社は7月14日に超小型独自衛星「WNISAT-1R」を打ち上げ、安全航海のために高まる高精度な海氷情報ニーズに対応する。

(画像:17年7月13日時点の北極海の海氷分布。緑色部分・過去の航路開通期間、赤と黄色部分・17年の予想開通期間)