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16年度の内航輸送量1.8%減、内航総連調べ

2017年7月18日 (火)

調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がまとめた2016年度の内航輸送実績は、前年同期を1.8%下回る3億9251万5000トン(kl)となった。下期の貨物船による輸送量は、2.1%増の1億3047万8000トン。

品目別では、鋼材が4.6%増。自動車向けや建築向け、遅れていた五輪施設関連の需要が動いたことにより低迷していた輸送は底を脱した。1月にあった製鉄所の火災発生により厚板など転送需要が見られた。原料は1.6%増加。セメントの原料である石灰石が、セメント需要の低迷に伴い減少。一方でその他原材料の輸送は好調だった。製鉄原料となる鉄・スクラップの内需や外需(韓国、中国、ベトナム)が高まった。

燃料は7.9%減少した。石炭は石炭火力発電所のトラブルや度重なる台風の接近・上陸による影響で輸送の障害が目立った。冬季の需要期は電力需要の低下が影響した。コークスについても需要の減少が見られた。紙・パルプは0.2減。木材、パルプは増加したが、新聞用紙の販売不振により紙の輸送量は減少が続いている。

雑貨は2.6%増加。一般雑貨は5.1%減少した。台風10号の影響でJR北海道根室線・石勝線などが不通となり、繁忙期に入った農産物の出荷が停滞したため、貨物船による代替輸送があったが、その後も北海道の農産物の不作により輸送は低迷した結果、前年を割り込んだ。一方でコンテナは新造船の投入により増加し、雑貨全体を押し上げた。

自動車は5.2%増加。熊本地震による工場の操業停止や燃費不正問題、軽自動車の販売不振で低迷していたが、各メーカーの新型車投入により販売の回復が見られた。セメントは0.3%減。民間工事の遅れが大都市圏で目立つなど低迷が続いたが、五輪関連施設の着工があり徐々に回復し前年並みとなった。穀物・肥料・飼料は10.8%増、機械プラントは15.2%減、砂・砂利・石材は3.7%増となった。

油送船による輸送量は、3.9%減の7320万1000トン(kl)となり、黒油が12.5%減、白油が2.2%減、油脂が7.3%減、ケミカルが5.7%減。特タン船が1.5%増となった。

黒油は石油火力発電所向け需要の減少が影響した。白油は製油所の定修・トラブルや台風の影響、冬季需要のピーク時に輸送のタイミングがうまく噛み合わなかったことで減少した。国内エチレンプラントの高稼働が継続しており、ベンゼンなど輸出の増加が目立つケミカルは増加した。特タン船についてもインド・ベトナムへの塩ビ管需要の高まりから塩ビモノマーの輸出が増加した。アスファルトの価格上昇前の駆け込み需要や LPGの増加も見られた。