ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

佐川急便が宅配などの運賃・料金値上げ表明

2017年7月26日 (水)

話題佐川急便は26日、宅配便や特定信書便、国際宅配便、代引手数料など、幅広いサービスの運賃・料金を改定し、11月21日から宅配便運賃で最大3割程度値上げすると発表した。これまでも個別契約している企業との運賃交渉を実施してきたが、「足元の急激な環境変化」に伴い、一般向けの運賃・料金体系改定に踏み切る。

11月21日から改定するのは「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」「飛脚特定信書便」の運賃、スキー用具の適用サイズ、「飛脚国際宅配便」受託時の容積重量算出基準、大型家具家電設置輸送の設置料金、代金引換サービス「e-コレクト」の代引手数料、「飛脚クール便」付加料金。

労働力不足への対応や、特に宅配便業界では個人宅向け荷物の増加による配送インフラの強化、顧客ニーズの多様化への対応が求められるなか、「物流事業者を取り巻く環境は劇的に変化してきている」として、個別契約先との運賃交渉に加え、運賃・付加料金・代引手数料など改定することにした。

改定と並行し、宅配便サービスの維持・向上を図るため、(1)配達力の強化(2)幹線輸送、中継機能の強化(3)採用活動の強化・従業員の確保――に取り組む。

飛脚宅配便と飛脚ラージサイズ宅配便の運賃については、集配コスト増加、コンビニや宅配ロッカー受取など受取方法の多様化、輸送品質の維持・向上に伴う投資コストの増加にそれぞれ対応するため、対象を100サイズ以上に限定して改定する。

関東から関西へ届ける場合の値上げ幅は、飛脚宅配便で100サイズが60円(1300→1360円)、140サイズが230円(1550→1780円)、160サイズが180円(1800→1980円)で、飛脚特定信書便も同じ上げ幅とする。飛脚ラージサイズ宅配便は平均値上げ率が17.8%、最大33.3%、最小1.1%となる。

スキー用具は、実サイズが160サイズ以上の不整形荷物が多いため、適用サイズの上限を140サイズから160サイズへと引き上げる。

飛脚国際宅配便の受託時の容積重量算出基準については、国際航空運送協会(IATA)で定めた容積基準が1キロあたり5000立方センチが基準となっており、国外の配送委託費用が高騰していることも考慮し、現行の6000立方センチをIATA基準の5000立方センチへと変更する。

また、大型家具・家電設置輸送の設置委託費用の高騰や物量増加に伴う一時保管場所の確保とコスト増加に対応するため、サイズによって1個口の出荷に付き700円から2200円の幅で設置料金を引き上げる。600サイズの場合、1万8000円から2万200円へと2200円の値上げになる。

代金引換サービス「e-コレクト」については、「高額な代金引換サービスで取込詐欺や詐取などのリスクが非常に高い」「高額な代引金額の場合、ツーマン体制で対応している」「現行の手数料では、サービスの維持が難しい」ことを理由に、代引手数料を値上げするとともに、代引金額の上限を「500万円まで」に設定する。

「30万円超-50万円以下」の場合は現行通りの2000円を維持するが、「50万円超-100万円以下」の現行区分を「50万円超-60万円以下」とした上で3000円から6000円へと2倍に引き上げ、4000円としていた「100万円超」をなくして60万円を超えて10万円増えるごとに1000円ずつ上乗せする体系に改める。

飛脚クール便の付加料金は、輸送品質の維持向上に伴う投資コストの増加や取扱個数増加に伴う施設増強への対応、100サイズ以上の取扱個数の増加、フロン排出抑制法への対応に伴う冷凍冷蔵施設点検コストの増加――といった課題に対応するため、60、80、100、140サイズの順に250円(100円アップ)、300円(150円アップ)、400円(150円アップ)、650円(350円アップ)へとそれぞれ引き上げる。