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東レ、欧州にPPS樹脂コンパウンド拠点新設

2017年8月23日 (水)

拠点・施設東レは23日、ラージトウ炭素繊維の世界最大手供給メーカーで米国子会社のゾルテックがハンガリー工場内にポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂コンパウンド生産設備を新設する、と発表した。

東レグループが欧州に樹脂コンパウンド拠点を設置するのは初めて。同工場の生産能力は年産3000トンで、2018年3月からの稼働を目指す。

PPS樹脂は、耐熱性や耐薬品性、機械強度、難燃性などで優れた特性を持つ高機能素材で、その特性を活かし、自動車の電装部品やエンジン部品などに使用されている。特に欧州では、自動車の燃費やCO2排出量の規制、安全規制が世界で最も厳しく、部材の樹脂化による軽量化やセンサー部材の開発といった新技術で世界をリードする欧州系自動車部品メーカーが、PPS樹脂の使用量を増やしている。

自動車部品だけでなく、電気・電子機器、OA機器、住宅関連部品などの産業用途でも採用が広がるなど、PPS樹脂の市場が急拡大していることから、ゾルテックハンガリー工場のインフラと人員を活用し、PPS樹脂の試作・生産拠点を設ける。

これにより、東レは日本、中国(深セン、蘇州、成都)、韓国、タイ、米国、ハンガリーの6か国、8拠点にPPS樹脂コンパウンド拠点を展開することになる。欧州の新拠点では、製品評価、試作対応のスピードアップを図り、欧州市場への供給体制の強化と新規需要の開拓を目指す。国・地域ごとに設置した拠点が連携することで、製品開発・評価機能と現地生産によるタイムリーな供給体制を整える。