ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

生産・輸送効率向上目指す

東京鉄鋼と伊藤製鉄所が経営統合合意

2017年8月28日 (月)

荷主東京鉄鋼と伊藤製鉄所は28日、経営統合に向けた協議・検討を進めていくこと合意し、覚書を取り交わした。

両社はともに普通鋼電炉メーカーで、鉄筋コンクリート造などの建築物に使われる鉄筋棒鋼の製造・販売が主力。2005年3月に東北で共同販売会社「東北デーバー・スチール」を設立し、今日まで共同運営を実施している。14年9月には、伊藤製鉄所が東京鉄鋼からの委託を受けて東京鉄鋼ブランドの異形棒鋼「トーテツコン」のOEM生産を開始するなど、協力関係は深い。

しかし、両社にとって主要マーケットとなる建設分野では、鉄筋コンクリート造の需要が減少し、人手不足による着工遅延もあって出荷量が減少傾向にあるほか、電力コストや副資材などのコストアップで経営環境は厳しさを増していた。

そこで、「経営基盤の拡充と企業価値の持続的向上を図るためには両社の関係を発展させることが必要」との認識で一致し、経営統合を目指すことに合意した。

統合により、関東、東北にそれぞれ展開する2工場、計4工場を有効的に運用し、生産効率と輸送効率を高め、コスト削減効果を生み出す。また両社の生産体制を効率化し、原材料仕入れボリュームを拡大して調達コストの低減、メンテナンスコストの削減を目指す。

経営統合の具体的な形態・方法、統合比率、本経営統合後の統合会社の名称、本店所在地、代表者、役員構成、組織、今後の予定などは、両社で設置する統合検討委員会で協議・検討する。

直近の売上高(前3月期)は東京鉄鋼が435億円、伊藤製鉄所が216億円。最終損益は東京鉄鋼が3.6億円だったのに対し、伊藤製鉄所は9億円の赤字。