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スタートアップ企業が開発、棚と棚内の商品位置特定

誤差10センチ以内、自動位置管理実現する物流技術

2017年8月30日 (水)

話題位置特定技術の研究開発を手がけるスタートアップ企業のRFルーカス(東京都渋谷区)は30日、10センチ以内の誤差で棚とその中の商品の位置を素早く特定する仕組みを開発した、と発表した。

「P3Mapper」(P3マッパー)と名付けられたこの仕組みは、ロボット上のRFID装置制御ソフトウェアとRFルーカスの特許技術による解析プログラムで構成され、オンプレミスやクラウド上の物品位置管理システムとして提供する。

RFIDタグや関連機器、システムを販売する大日本印刷、ブロックチェーン技術など先進的な物流機能の導入に積極的なPALが、10月までP3マッパーの実証運用を行い、11月から段階的に自社製品・サービスと組み合わせて提供を開始する。

今後は多機種の自動走行ロボットやドローンへの対応を進めるとともに、PALと倉庫向け、大日本印刷とさまざまな業界向けサービスを共同開発していく。

RFルーカスが採用したICタグは、RAIN RFIDと呼ばれる電池なしタグで、10メートル以上離れた場所から、1秒間に100以上を読み取ることができるため、人手不足を背景とした業務効率化用途などに普及が進み、2016年には全世界で90億個以上出荷された。

P3マッパーは、自動走行ロボットに複数枚のアンテナを設置し「タグに近づいて」「一定の動作で」読むことと、同社の特許技術である電波位相情報解析を組み合わせることで、実験環境では100%読み取り、棚レベルの位置特定を達成。さらに、棚の中で物品の左右位置を10センチ以下の精度で特定できたという。

これにより、夜間に自動で全物品の位置を管理するといった運用が可能となるため、同社は「棚卸作業や物品探索の省力化、業務効率化、人手不足解消といった効果が見込まれる」としている。