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一五不動産情報サービス調べ

輸送費上昇が「物流施設に何らかの影響」との見方大勢

2017年9月1日 (金)

拠点・施設一五不動産情報サービス(東京都墨田区)がこのほど発表したアンケート調査結果によると、回答者の大半が「輸送コストの上昇が、何らかの形で物流施設に影響する」と考えていることがわかった。

深刻なドライバー不足を背景に輸送コストが上昇を続ける中、「輸送コストの上昇が物流施設にどのような影響を与えるか」を尋ねた設問で、全体の6割が「輸送コストを抑えるため、消費地近郊の物流施設が評価される」と回答した。

これに次いで「輸送コストを抑えるため、配送(宅配)業者の拠点との近接性が重要視される」との回答が多く、同社は「輸送コストの上昇によって最終消費者に近い物流立地が評価されるだけでなく、消費者に届ける配送(宅配)業者の拠点近くの物流立地が好まれるようになっている」と分析する。

「モーダルシフトが改めて注目され、貨物駅や港湾への近接性が重要視される」と、物流立地への影響を示唆する回答も少なくない。

「鉄道や海運による輸送は、環境負荷の低減効果からモーダルシフトとして何度も注目されてきたが、これまでは輸送量の拡大にあまり繋がらなかった。今後、ますます深刻化するトラックドライバー不足を考慮すると、鉄道貨物輸送を導入する動きが拡がることも十分に考えられ、物流立地への影響も無視できない」(一五不動産情報サービス)

このほか「複数荷主による共同配送が増え、物流拠点が大型化する」「トラックドライバーの荷待ち時間を削減するため、トラックバースが充実した物流施設へのニーズが高まる」といった回答に対して、同社は「昨今、倉庫内で働くヒトのために、アメニティスペースが充実した高機能型物流施設が評価されているが、輸送コストの上昇も大規模な物流施設への需要拡大につながるという意見だ」と解説する。

アンケート回答者は82人で「目立った影響はない」は1人のみだったという。