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フジタ、IoT活用し重機作業の生産性15%向上

2017年9月5日 (火)

サービス・商品大和ハウス工業は5日、傘下のゼネコン・フジタが岐阜県の道路建設工事で、IoTを活用して土工現場の建設機械・人・測量の情報すべてを集約し、「全工程見える化」を実現したと発表した。施工量では従来比15%の生産性向上を達成したという。

土工現場にICT(情報通信技術)を全面活用する取り組みとしては、ドローンによる三次元測量や設計データが入力されたICT建設機械の導入などがあり、作業の効率化や省人化が進みつつある。実際に測量作業では現場から丁張が無くなり、ICT建機は仕上げ工程の高精度化や熟練オペレーター不足の解消などの成果が表れ始めている。
しかし、ICT建機は法面整形や盛土転圧など仕上げ作業の一部分にのみ採用されるケースが多く、工程の部分的な効率化が進んでも工事全体の生産性向上に寄与できないといった課題があった。

そこでフジタは、土工現場のICT建機やダンプトラックといった「建設機械」「工事管理者、職長、オペレーター」「三次元データ、ロードライト」のすべての施工情報をクラウドサービスにつなげ、施工の進捗や出来形の情報が、工事管理者だけでなく職長やオペレーター、運転手などすべての現場の担当者へ、リアルタイムで共有できるシステムを構築した。

これにより、オペレーターは相互の位置情報と施工進捗、ダンプトラックの運行状況をマップ上で視覚的に把握できるようになる。

(以下出所:大和ハウス工業)

この仕組みを用い、フジタは連携作業がスムーズになり、建設機械の手待ち時間が大幅に短縮され稼働率が向上するという効果が確認。現場全体の建設機械とダンプトラックの計画的で効率的な配置が可能になった。

作業計画の日々改善と適正化が進み、オペレーターから作業進捗や天候などの条件に応じた建設機械の配置変更が提案されるようになり、とくに切盛土の施工効率が上がった。

また、プロセス関係者による自主的なクラウド活用が活発になり、重機始業前点検の結果がウェブ看板を通して見える化されるなど、安全管理のツールとしても利用が進んだという。