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JR東、交換用レール輸送システム刷新に着手

2017年9月6日 (水)

話題JR東日本は、近く交換用レールの輸送システム刷新に着手する。東北地区にレール輸送用の新型気動車を導入し、貨物列車によるレール輸送の効率化を図るもので、今冬以降、性能試験を経て運用を開始する。

(以下出所:東日本旅客鉄道)

JR東日本が使用する交換用レールは九州と山陽地区の製鉄所で製造され、内航船と貨物列車で東京の「越中島レールセンター」と東北をカバーする「仙台レールセンター」に輸送している。

現在、陸路はJR東日本所有の機関車とレール輸送用貨車を使用しており、帰路は機関車を付け替えて方向転換するため、入替え作業に人員と手間を要している。また、機関車と貨車はいずれも国鉄時代(製造初年1975年)に製造されたもので、老朽化が進んでいた。

今回の輸送システムの刷新に際しては、JR東海が開発し、2008年に導入したレール輸送用の「キヤ97系」をベースに、JR東日本向けに耐寒耐雪対応などのカスタマイズを行った新型気動車を導入することを決めた。

▲上:ロングレール輸送用、下:定尺レール輸送用

導入する車両形式「キヤE195系」は、量産先行車としてロングレール(150メートル)を輸送するために11両編成を1編成、定尺レール(25メートル)輸送用に2両編成を1編成の、合わせて13両を新造、仙台を中心とした東北地区で運用する。

気動車方式を採用することで、電化・非電化区間を問わず走行できるようになるほか、編成の両端に運転台を持つことから機関車の入換作業が不要になる。機関車・貨車特有のメンテナンス方法や運転操縦を廃し、効率的なメンテナンスと要員配置も可能になる。最高速度は時速85キロから95キロへと10キロ引き上げる。

■現行輸送システム
編成:(1)機関車プラスロングレール(200メートル)輸送用貨車13両編成(2)機関車プラス定尺レール(25m)輸送用貨車(必要に応じた両数を連結)
車体寸法:18.2メートル(全長)×2.63メートル(全幅)×1.37メートル(全高)※レール輸送用貨車(チキ5500)の場合
最高運転速度:時速85キロ
製造初年:1975年(コンテナ用貨車「コキ5500」を改造)

■新輸送システム
編成:(1)ロングレール(150メートル)輸送用気動車11両編成(2)定尺レール(25メートル)輸送用気動車2両編成
車体寸法:17.4メートル×2.8メートル×4.8メートル(ロングレール用)、17.4メートル×2.93メートル×3.89メートル(定尺用)
最高運転速度:時速95キロ
製造初年:2017年