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ファストリ、国内外で物流改革進展し営業益38%増

2017年10月13日 (金)

財務・人事12日に前8月期決算を発表したファーストリテイリング。売り上げが4.2%増(前期比)の1兆8619億円に達し、営業利益は38.6%増の1840億円と好調な業績となった。特に国内ユニクロ事業では物流改革が一時的費用としてかさんだものの、下期には改善が進み、中国と東南アジア・オセアニアでも物流を見直して高い利益率を達成した。

国内ユニクロ事業では販管費が3.2%増えて7252億円となった。広告宣伝費などの経費削減を進めたが、人件費や物流改革に伴う一時的な物流費の増加が影響した。人件費や物流費の増加により、売上販管費比率は1.3ポイント上昇。その物流費も下期には配送効率の向上や予備倉庫の削減で改善が進展した。

中国では地域ごとの物流網を見直すことにより、物流の効率アップを図った結果、売上高が4.1%増の3464億円、営業利益が37%増の501億円と成長。今後も年間100店舗の出店を継続し、2021年度には1000店を達成する見込みだ。

2009年4月にシンガポールに1号店をオープンして立ち上がった東南アジア、オセアニアでは、8年間で店舗数を163店舗まで拡大。前8月期は物流の仕組みを改善し、各国で販売効率の向上と物流費の削減に取り組んだ。特に店舗在庫の削減による物流費、人件費の低減、出店交渉の強化によるコストダウン、現地生産比率を高めることによる原価率の低減などが寄与した。

今期は国内ユニクロ事業でECを含む既存店売上高として1.9%の増収を見込んでおり、粗利益率はやや低下するが、人件費、物流費の効率化で増収増益を目指す。