ヤマト･有田鉄道、和歌山県有田川町で｢客貨混載｣

ロジスティクスヤマト運輸と有田鉄道は20日、和歌山県有田川町で路線バスを活用した宅急便の「客貨混載」輸送を開始した。

近年、全国の中山間地域などで過疎化や高齢化が進むなか、有田川町の東部に位置し山林に囲まれる清水地域は年々人口が減少し、特に過疎化や高齢化が進んでいる。

今回、ヤマト、有田鉄道、有田川町の3者が連携し路線バスで宅急便を輸送する「客貨混載」を行うことで、バス路線網の維持と物流の効率化による地域住民の生活サービス向上を目指す。

具体的には、宅急便を積載するため、座席の一部を荷台スペースとして確保した路線バス1台を運行する。ヤマトの「セールスドライバー」が清水地域に配達する宅急便をJR藤並駅西口バス停で路線バスに積み込み、ヤマトが指定するバス停で配達担当のセールスドライバーに引き渡す。

これにより地域のバスの路線網が維持され、安定的に利用できることで生活基盤の維持・向上へとつなげる。また、ヤマトのセールスドライバーが清水地区に滞在できる時間が増えるため、当日発送の集荷締め切り時間が「13時」から「15時」まで2時間の延長が可能となり、宅急便のサービスの利便性が向上する。

ヤマトは、これまで宅急便センターに届いた昼の時間帯の配達荷物は、清水地域までの片道50キロの道のりをセールスドライバーが90分かけて運び、現地の3か所で集配するセールスドライバーへそれぞれ引き渡していたが、この荷物を路線バスが運ぶことにより、集配効率の向上や車両の走行距離、コスト削減やCO2削減といった効果を見込む。