ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

帝国データバンク調べ

WMS開発のLSMが破産申請準備、負債32億円

2017年10月27日 (金)

話題帝国データバンクによると、WMS(倉庫管理システム)の開発や配送倉庫業務を手がけるエルエスエム(大阪市中央区)と関係会社のLSMインターナショナルが27日、事業を停止したことがわかった。2017年9月期に粉飾決算の疑いが発覚し、資金繰りが急速に悪化し、先行きの見通しが立たなくなった。負債は2社合わせてで32億円が見込まれるものの、流動的だという。

両社は27日に事業を停止し、事後処理を久保以明弁護士(沖縄県那覇市)ほか2人に一任、自己破産申請の準備に入った。近く那覇地裁に申請するとみられる。

エルエスエムは1988年10月に北河内急達運輸の運送部門の一部を分社化して設立。商品のピッキングや梱包など物流業務ほか、配送、物流システムの構築などを手がけ、主に物流業者・流通業者・メーカーの物流部門を対象に物流請負を行っていた。

商品のピッキング・梱包・発送・在庫、倉庫管理を中心に大手アパレル業者、コンビニエンスストア、雑貨小売業者などに営業基盤を確立。物流ソフトウエアの受託開発や倉庫管理システムなども取り扱っていた。大手コーヒーチェーン関連の受注が好調だった16年9月期には年商40億100万円を計上していた。

積極的な営業体制で業容拡大を図り、グループ会社との連携強化に努めて拡大路線を続けたが、運転資金の増加を借入金で賄っていたことで金融債務は増加傾向にあった。

また、外注費増加や人件費高騰に伴い収益面は苦戦を強いられるなか、17年9月期に入って一部で同社と関係会社の決算書で簿外債務などの疑義が生じる事態が発生。粉飾決算の疑いが発覚したことで資金調達や新規受注が難航したことから資金繰りが急激に悪化した。

7月に登記面本店を沖縄に移転させ、同県で新規顧客開拓なども行っていたが、ここにきて先行きの見通しが立たなくなったことから今回の事態となった。関係会社のLSMインターナショナルも同様の事態。