ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

初期投資負担なくし普及促す

PAL、倉庫内ロボット特化の私募ファンド立ち上げ

2017年10月30日 (月)

話題物流向けロボット開発への取り組みを積極化させている物流会社のPAL(大阪市西区)は30日、物流センターに設置する自動化機器やロボティクス分野への投資を促し、普及させる施策として、燦キャピタルマネージメント(同市中央区)と共同で「ロジテックファンド」を立ち上げると発表した。

企業が物流センターにロボット機器を導入する際の初期投資をなくし、利用の程度に応じた料金負担とすることで、拠点の立ち上げ段階から最新の物流ロボットを導入しやすくする。

ファンドは物流センターごとに別の基金として立ち上げる計画で、11月にも1号ファンドを組成、並行して複数のファンド組成に向けた交渉を進めているという。

物流向けのロボット機器は、無人自律搬送機など国内外で多く開発されているが、普及段階が浅かったり、荷主・物流会社の費用負担を決める際に前例が乏しかったりといった理由でコスト高になるケースが多く、期待の高さほどは普及が進んでいないのが実情だ。

それでも国内物流のロボティクス市場は、直近の640億円程度から20年後の2035年頃には1兆5000億円規模へ急拡大するとの予測もあり、着手できるところから着手して「乗り遅れない」よう焦りを募らせる荷主・物流会社は少なくないとみられる。

PALが今回立ち上げるファンドは、物流セクターへのロボティクス導入を促し、支援していく「社会的機能」として提供し、ファンドが物流機械・ロボティクスへの投資を実施することで、オートメーション化を計画する荷主・物流会社は初期投資を負担することなく、最適なオートメーション化を整備する環境が整うこととなる。

同社がこうした取り組みに乗り出すのは「誰が設備投資を負担するのか」という課題の解決を目指すものだといえる。機械・ロボティクスの利用に応じた料金負担に切り替え、「何へ投資し、どんなロボティクスとオペレーションの組み合わせで運営するのか、フロー設計がベストなのか」といった物流センター全体の設計サポート機能も提供する。