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背景に自動車物流の需要拡大

日本郵船、郵船ロジ完全子会社化へ株式取得

2017年10月31日 (火)

話題日本郵船は10月31日、同社が株式の59.5%を持つ子会社の郵船ロジスティクスの残る株式を公開買付けで取得し、完全子会社化する方針を発表した。買い付け価格は1株1500円で、期間は11月1日から12月14日まで。郵船ロジは来年2月中旬をメドに臨時株主総会を開き、効力発生日を3月下旬にも設定する。

郵船ロジの事業構成は海上・航空輸送を対象としたフォワーディング事業と幅広い物流業務を受託するロジスティクス事業が2本柱となっているが、日本郵船が同社を完全子会社化する背景には、自動車業界で海外生産の拡大や新興国需要の急拡大がある。

自動車業界では資材調達、生産地、販売先が多様化し、完成車や部品の輸送手段・ルートも複雑化していることから、日本郵船は郵船ロジの事業と一元的に運営することで、メーカーごとに異なるニーズに対応する輸送手段とルートを組み合わせ、部品ごとの小口輸送や部品・完成車輸送のワンストップサービスといったサプライチェーン全体を包み込むような物流をスピーディーに提供できる体制を整える。

完全子会社化により、陸海空の輸送モードを柔軟に組み合わせ、主力の海運事業の競争力を活かしながらも幅広い物流需要の受け皿となる体制を強化する事が可能になり、今後、重要さを増す「物流事業」の意思決定のスピードアップと事業戦略の一元化を図る。