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建設現場向けの提供開始、今年度中に物流向け

沖電気、車両プローブ情報活用のITS発売

2017年11月8日 (水)

サービス・商品沖電気工業は8日、車両の位置情報や渋滞などの道路情報を収集・分析し、車両利用事業者の業務効率化をサポートするSaaS型のITSサービス「LocoMobi2」(ロコモビ2)を発売した。

このシステムは、沖電気が道路交通システム市場で取り組んできた車両プローブ情報の活用技術を生かし、インフラ協調型ITSサービスへ向けて商品化したもの。AI、アナリティクス技術を組み合わせて幅広い分野での業務改革を目指す。第一弾として、建設業者向けの資材運搬車両の管理による現場工程最適化サービスの提供を開始する。今後は、物流事業者に向けた物流車両管理サービスの提供を今年度中に開始する方針。

道路交通システム市場では、IoT市場の成長を背景に車両プローブ情報を収集分析し、ビジネス分野へ活用を図るニーズが高まっており、たとえば建設業界では資材を搭載した車両の到着時間の把握が建設現場での建設工程の短縮につながり、物流業界では、道路状況の把握、適切な配送ルートの設定によるコスト効率の高い運用が期待されている。

しかし、車両の到着時間や道路状況などを正確に把握するには大量なデータの収集、処理、分析が、収集した情報を基に予測を行うには高度な情報処理技術が必要となり、導入コストや技術的な課題があった。

ロコモビ2では、収集した車両情報や道路情報を分析し、インターネットなどのネットワークを介したサービスとして提供。マシンラーニングによる渋滞予測エンジンなど、沖電気がこれまで道路管理者向けの道路管理システムで培ってきた技術を基にした機能を搭載した。

第一弾として提供開始するサービスは、建設事業者向けの資材運搬車両の管理による現場工程最適化サービスで、建設現場に資材を運搬する車両位置や道路状況をリアルタイムで収集分析し、車両の遅れや到着時間を基に、現場作業工程スケジュールへの影響を見える化して提供する。

従来の建設現場では、資材運搬車両の遅れをある程度見込んで計画を立てており、そのため運搬車両の駐車スペース、資材運搬のクレーンの稼動では空き時間が発生することがあったが、建設業者向けサービスでは、資材車両の到着時間を正確に把握することにより、現場工程の組み替えを比較的柔軟に行い、現場工程を短縮する。研究開発には大成建設が協力した。