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宝HD、ファンドに九州地盤「タカラ長運」売却

2017年11月10日 (金)

M&A宝ホールディングスは来年1月5日付で、物流子会社のタカラ物流システム傘下で鮮魚輸送から総合物流へと業態を拡大した九州地盤の運送会社「タカラ長運」(長崎市)を、事業再生ファンドの運営で知られるアスパラントグループが立ち上げたファンドに売却する。

タカラ長運は長崎県の鮮魚輸送会社として1949年に設立され、2006年にタカラ物流システムが出資して宝グループ入り。14年の事業再編で宝酒造の100%子会社となり、陸運・海運・保管・工事の一貫サービスを手がける総合物流会社として成長、基幹産業向けの重量物輸送や農産物、鮮魚輸送と幅広い輸送ノウハウを持つ。

最近の業績は売上高が漸減傾向にあるものの、営業・経常利益は堅調に伸ばしている。

■タカラ長運の最近3期の業績推移

宝HDはタカラ長運を売却する理由を「当社グループが注力する3事業セグメントとの十分な事業シナジーを生むに至っていない」と説明しており、宝酒造を中心とする国内外の事業体制との関わりの薄さから、売却することによって得る資金を主力事業に投下し、経営資源の集中を図る方針を固めたものとみられる。

タカラ長運を買収するアスパラントグループでは、18年1月5日の親会社変更に伴い、社名を「長崎運送」へと変更し、常勤・非常勤役員を派遣して経営管理機能を強化する。