JDAとサトーが提携、倉庫業務の生産性向上を支援

M&AJDAソフトウェアグループとサトーグループは5日、JDAの日本事業推進に伴い戦略的なパートナーシップを結んだと発表した。JDAが持つ倉庫管理システムとサトーの倉庫内ナビゲーションシステムを組み合わせ、物流業務の生産性向上を支援する。

今回の提携は、国内プリンタメーカーとして初となるサトーのJDA公式ハードウェアパートナー提携、相互の販売協力提携を含むほか、技術提携によってJDAの倉庫管理システム・倉庫労務管理ソリューションをサトーの倉庫内ナビゲーションシステム「Visual Warehouse」と組み合わせたパッケージソリューションを提供する。

これにより、IoTやビッグデータといったデジタル技術を活用し、倉庫現場の「人・モノ」のデータを収集・分析することにで物流業務の生産性向上を支援する。

JDAの倉庫労務管理ソリューションは、倉庫作業をリアルタイムで把握し、適切なスキルを持った適切な数の作業員を適切な時に適切な場所に配置できるようにすることで、計画・スケジューリング機能を改善する。さらに、企業は労働力の問題をリアルタイムで把握できるため、課題が発生する前に必要な場所に作業員を配置することが可能になる。

JDAの倉庫管理システムと併用することで、実際の現場で発生しがちな混乱に対処し、これらの変化をリアルタイムで検知してすばやく収益性の高い対応を行うことで、パフォーマンスの向上と予測可能な結果の向上を図る。

一方、サトーのVisual Warehouseは、現場の人・モノの動きを可視化する「バーチャル」な倉庫マネージャーで、入庫・検品・出庫業務を全面的に合理化し、庫内物流の改善と労働力の有効活用を実現。連携するピッキング経路案内システムでは、音声・視覚的な指示によってピッキングの最短経路を案内し、作業員が移動に費やす時間と距離を最大約半分にまで削減する。このシステムにより、経験が浅い倉庫作業員でも、豊富な経験を持つ作業員と同等の作業効率を実現することができる。

JDAとサトーは、具体的な運用データをもとにした実行可能な改善アクションを提供することで顧客の倉庫の生産性向上を目指す。JDAとサトーのソリューションを組み合わせることで、個々の作業者の行動を時系列で記録し、実際の運用データを収集することができる。

蓄積された倉庫内の実際のデータとJDAの労務管理ソリューションの連携によって倉庫作業のより正確な可視化が可能になり、業務効率化のためのデータに基づいた意思決定が実現可能。「庫内業務全体の生産性を30％-40％向上させる」という。

両社は、このパッケージソリューションを2019年3月までに食品・飲料業界の大手メーカー5社に導入することを目指す。