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住友重機械とNEC、産業機械の故障予兆にAI活用

2017年12月14日 (木)

サービス・商品住友重機械工業とNECは13日、産業機械の故障予兆の検出にAIを用いる実証実験を行い、プラスチック射出成形機から出力されたデータを利用して故障予兆を検出することに成功した、と発表した。

この結果を受け、両社は今後、産業機械でAIを活用した故障予兆の検出、生産された製品の良品判定、運転条件や設定の自動調整の実現に向け、連携を進める。

実験は、電動射出成形機で駆動機構に搭載されたボールねじのメンテナンスを計画的に行いたいというニーズに対し、故障AIで予兆を検出できるかどうかを検証したもので、射出成形機に標準的に搭載されているセンサー群の時系列データを利用し、ボールねじが正常な場合と損傷を受けた場合のデータの差異検出が可能かを確かめた。

正常と損傷のそれぞれの時系列データを、NECの最先端AI技術群の1つ「RAPID機械学習」で分析した結果、1500あるデータセットを20分程で学習し、1データセットあたり0.4秒以内で、正常と損傷のデータを高精度で判別できることを確認した。

今後、両社は故障予兆における環境変動への耐性、損傷の種別・程度の判定検証を進めるとともに、プラスチック製品へのAIによる画像検品の適用、成形条件の自動調整実現も視野に入れ、NECのAI・IoT技術を活用した「成形工程全体の機能向上」を目指す。

RAPID機械学習は、ディープラーニング技術を搭載し、事前に手本となるデータを読み込むことで傾向を自動で学習する仕組みで、データの分類、検知、推薦などの高精度な判断が可能。NEC北米研究所の独自技術により、分析エンジンの高速化と軽量化を両立し、大規模なマシンリソースを必要とせずにサーバ1台から分析処理ができるため、幅広い業務や企業へ適用できるとされる。