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アスクル、ヤフーと資本提携、B2C強化へ物流拠点整備も

2012年4月27日 (金)

ロジスティクスアスクルは27日、オンライン通販事業の強化を目指し、ヤフーと業務・資本提携を結ぶと発表した。ヤフーを割当先として普通株式2302万8600株(発行済株式総数の42.47%)を発行し、ヤフーがアスクルの筆頭株主となる。資本増強によって物流拠点など大規模な設備投資に備えるとともに、10月をメドに消費者向けの新事業を開始する。

 

アスクルは1993年、プラスのアスクル事業部としてオフィス用品のカタログ通信販売事業を開始し、97年にプラスから分社。同時にインターネットによる受注を開始し、翌年には一部エリアで当日配送を実現、物流インフラの拡大や通信販売用のウェブシステムの利便性・検索性・効率性の向上を通じ、顧客基盤の拡大や取扱商材の拡大を進めてきた。

 

BtoBのオフィス用品の通信販売事業では、依然として同業他社に比べて優位性を保っているが、2010年に立ち上げた子会社アスマルのBtoCオンライン通信販売事業では、集客力の拡大が課題となっていた。

 

そこで、ヤフーのインターネットユーザーへの知名度、2500万人に及ぶ利用者数に基づく集客力、BtoCビジネスを通じて培った決済機能と、アスクルがBtoB通販で培った物流ノウハウ、情報システム、MD(マーチャンダイジング)機能などを活用することで、「両者の事業の強みを活かした新たなEコマース事業」を共同展開するため、資本・業務提携に踏み切ることを決めたもの。

 

物流(配送機能)、MD、CS、集客、決済といった両社の強みを相互補完し、「ほかのBtoCのオンライン通信販売事業者に比べて価格、品質、配送その他のあらゆる点で優位性を有するEコマース事業を展開する」という。

 

具体的には、提携によりアスクルは、ヤフーの「Yahoo!ショッピング」で、生活用品など一般消費者向け商品を揃える中核事業者として、2500万人を超える一般消費者に対してオンライン通信販売事業を展開することが可能となる。

 

また、「Yahoo!ショッピング」や「Yahoo!オークション」に出店するほかの事業者に対し、アスクルが物流インフラを用いた商品の配送やアフターサービスなどを提供することで、ヤフーのサービス向上につなげる。

 

こうしたBtoCサービスの本格展開には、不特定多数の一般消費者が相手となるため、豊富な品揃えや配送期間の短い配送サービス網の構築が必要となることから、ヤフーとの資本提携によって資本を増強し、物流拠点の大幅な増設や、物流インフラ、情報システムの拡充に備える狙いもある。