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【決算】日立物流、バンテック連結化で大幅な増収増益

2012年5月9日 (水)
2012年3月期通期連結(単位:百万円)
 2012年3月期2011年3月期増減率
売上高553,934368,79850.2%
営業利益23,13115,94045.1%
経常利益22,91615,91844.0%
当期純利益12,5636,80684.6%

ロジスティクス昨年4月にバンテックを新規連結化したことにより、国内・国際物流の売上高、営業利益が前期を大幅に上回った。また、昨年12月にバンテックを完全子会社化するほか、グループのフォワーディング事業を日立物流シーアンドエア社に集約する方針を決めた。

 

国内物流部門、大幅な増収増益
国内物流は、小売・生活関連分野を中心とした案件を立ち上げるなど、新規案件受託が堅調に推移。同一業界の複数顧客を対象に、効率運営できる共同保管・共同配送を実施するための「業界プラットホーム事業」で対象業種を拡大した。

 

昨年9月には埼玉県で化粧品関連顧客の東日本エリアへの配送・全国拠点への供給を担うマザーセンターを開設するなど、事業拠点の整備に注力した。

 

ことし4月には運営体制の強化や効率化を図るため、北海道日立物流サービスとダイレックスの合併、関東日立物流サービスとその子会社である昭島物流サービスの合併、関西日立物流サービスと中国日立物流サービスの合併――をそれぞれ実施した。

 

これらの結果、国内物流部門の売上高は3864億4800万円(前期比50%増)、営業利益291億4600万円(34%増)となった。

 

国際物流部門、営業利益87%増加
中国では2010年12月に連結化した大航国際貨運有限公司との連携強化を図ったほか、ことし1月にはDICの中国(香港・上海)の物流子会社を取得し、化学品物流などの業容拡大に努めた。

 

アジアでは、昨年4月にタイを中心としたインドシナ地域の事業拡大・強化を図るため、タイの有力物流会社であるETG社を連結化。昨年11月にはアパレルビジネスの拡大や新規3PL案件の受注、インドシナ諸国と中国間の陸上輸送への業容拡大を目指し、ベトナムに現地法人を設立した。

 

また、生活関連の顧客による海外展開を支援するため、昨年4月オーストラリアに現地法人を設立。同年7月には近鉄エクスプレスとの合弁会社を設立し、プロジェクトカーゴ領域を対象とした物流サービスの強化を図った。

 

これらの結果、国際物流部門は売上高1486億1000万円(59%増)、営業利益27億6300万円(87%増)となった。

 

次期は日立グループの物流改革に寄与
今期は、新たに策定した事業コンセプト「スマート・ロジスティクス」による他社との差別化や東日本大震災の復興対応などに取り組むほか、日立製作所がグローバルレベルで勝つための日立グループを挙げた「日立スマート・トランスポーテーション・プロジェクト」を通じ、日立グループの物流改革に寄与する。

 

これらの取り組みにより、2013年3月期は連結売上高5700億円(3%増)、営業利益258億円(12%増)、経常利益253億円(10%増)、純利益142億円(13%増)を見込む。