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センコー、カザフスタンで合弁設立、物流センターを開設

2010年4月27日 (火)

ロジスティクスセンコーは4月26日、カザフスタンのランカスターインフラストラクチャー社と合弁会社を設立すると発表した。カザフスタンと中国の国境沿いにあるホルゴスに設立される、両国の戦略的共同国家プロジェクト「国際国境経済開発センター」に参画し、物流センターの建設・運営を行う。

 

合弁会社の社名はセンコー・ランカスターシルクロードロジスティクスで、既に設立合意の調印を済ませた。国際国境経済開発センター05年にカザフスタン政府と中国政府で合意された、戦略的共同国家プロジェクトで、両国の産業・貿易振興を目的とした経済特別開発区の名称。両国にまたがるホルゴスに一大複合都市と物流エリアの建設が、12年の完成を目指し、急ピッチで進められている。

 

合弁会社はランカスター社と折半出資で5月に設立し、同社が国際国境経済開発センターから賃借する8haの敷地に、総面積2万2000平方メートルの物流センターを建設、ロジスティクス事業を展開する。

 

物流センターの建設は全体を3期に分けて段階的に実施し、5月に第1期工事に着工、6000平方メートルのセンターを建設、11年1月に営業を開始する。センターでは入国側トラックへの貨物の積み替え業務をメインとし、通関業務、通関待ち貨物の一時保管などを行う。

 

国際国境経済開発センター内では、中国・カザフスタン両国からビザなしで入出国が許可されるため、従来、カザフ-中国間輸送の際に必要であった「運転手のビザ取得」が不要となる。また、税関が設置され、輸入通関が実施されることから保税運送が不要となり、両国間での貨物輸送のコスト削減と手続きにかかる所要日数の短縮が可能となる。

 

センコーでは「カザフスタンが資源大国であることや、ポストBRICs国家として高い成長率が期待できることに加え、ユーラシア大陸の中央に位置することから中継大国として注目している」とし、08年から物流事業展開の基盤作りを進めてきた。

 

今回の物流センター設置により、センコーは貨物の積み替えや倉庫業務、通関業務など、カザフスタン、ロシア、中央アジア向けの国境でのハブ機能を保有することになり、1月に発効したロシア、カザフスタン、ベラルーシによる関税三国同盟により「三国域内の流通・物流量は飛躍的に増加が見込まれ、国境での物流センター事業だけでなく、カザフスタン国内で物流サービスニーズが高まることが予想され、国際ハブ拠点としてカザフスタンの重要性が一層増す」などと期待している。

 

今後はランカスター社と共同で、カザフスタン西部の都市「アクタウ」と、カザフスタン経済の中心地である「アルマティ」(旧首都)での物流センター開発を進める。