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双日、インド物流最大手と共同で物流インフラ事業へ参入

2010年9月14日 (火)

話題FTWZ周辺図とイメージ図双日は14日、インド最大手の民間物流企業・アルシアと共同で、ムンバイ近郊のマハラシュトラ州、デリー近郊のウタルプラデシュ州で、FTWZ(物流加工保税区)と鉄道輸送を合わせた複合物流インフラ事業を進める基本合意書を締結した、と発表した。両社は今後、資本提携も視野に入れて共同で事業を進める。

 

FTWZは、輸出入手続きの簡素化・迅速化、貨物の長期保税保管、税制優遇など制度面での優遇を与える経済特別区のことで、これにより国内物流を含めた効率的な物流インフラを提供し、企業のインド市場への参入を促す狙いで設置されている。FTWZを活用することにより、保税蔵置・加工・再輸出など、インドを物流や製造のハブとして、中東やアフリカなどへ進出を図る企業にも大きなアドバンテージを提供する。

 

双日とアルシアは今回の提携により、主にインドに進出を検討する企業、インドを拠点として中東・アフリカへの進出を検討する企業の誘致を図り、最新鉄道輸送技術を活用した物流インフラを設営し、サービスを展開する。中長期的には、ナグプール・コルカタ・チェンナイにも同様のFTWZを設営し、デリー・ムンバイを中心とした主要5拠点をカバーし、インドのほぼ全域で総合物流インフラ群を構築する。

 

インドのGDPの成長率は年率8-9%で、今後も高い成長を維持していくと見込まれている。また、中国での人件費の高騰による競争力の低下や、中国元の切り上げによる輸出環境の悪化により、生産拠点を中国からインドへのシフトする傾向が強まりつつあり、インドの物流関連市場規模は14兆円が、今後も拡大する見込み。

 

しかし、物流などのインフラの能力不足を危惧する声もあり、投資家にとっても新たな投資の実行の足かせになりつつあることから、この分野の改善が急務となっていた。特に自動車の輸送は全てトラックによる輸送に依存していることから、自動車の輸送・サービスをFTWZに加え、最新の鉄道技術を活用したサービスを提供することにより、安価で機動的・効率的な運搬が可能となる、としている。

 

両社が展開するFTWZには、既にインドへの進出を進める日系企業数社との契約が決まっているが、さらに誘致を進める目的で、14日に東京ビックサイトで開催される「国際物流総合展2010」に双日・アルシアの両社で出展する。