ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

川崎汽船など3社、長期水エマルジョン燃料の実船試験を開始

2010年9月21日 (火)

ロジスティクス川崎汽船、川崎造船、川崎重工業の3社は21日、共同で実用化を目指した水エマルジョン燃料供給システムを新規開発し、川崎造船が建造する5万8000トン型ばら積運搬船に搭載して、長期実船運用試験を実施すると発表した。

 

外航船舶の窒素酸化物(NOx)排出量が、国際海事機関(IMO)による2016年から3次排出量規制により、特定規制海域で現行の1次規制値から80%削減することが義務づけられる。この規制に対応するため、3社共同で実船試験用の水エマルジョン燃料供給システムを開発したもの。水エマルジョン燃料技術とほかのNOx低減技術を組合せることで、効率的に3次規制値をクリアすることを目指す、としている。

 

水エマルジョン燃料は、燃料中に細かい水粒子が分散して含まれる燃料のことで、これがエンジンの燃焼室内に噴射されると水粒子が蒸発し、周囲の熱を奪うことで周辺の火炎温度を低下させ、NOxの生成を抑制する。

 

今回の実船試験に先立ち、7月には舶用A重油水エマルジョン燃料を用いて本船ディーゼル機関の陸上運転を行い、NOx排出量の低減を確認した。今回の実船試験では、舶用C重油での水エマルジョン燃料を使用してNOxを含む排ガス性状の確認、機関性能の確認、長期使用での機関・燃料系統機器の耐久性の確認と乗組員による実運用を目指し、竣工前の海上試運転での試験と就航後の長期実船試験を行う。11年1月には実船試験を開始し、約4年を掛けて性能評価、耐久性を確認する。