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日揮、インドネシアで石油代替燃料の実証プラント建設へ

2010年9月27日 (月)

産業・一般日揮は27日、インドネシアのシナルマス・グループと共同で、同国の低品位炭を原料として石油代替燃料を製造する実証プラントの建設を開始したと発表した。

 

インドネシアの原油生産量は減少傾向にあり、2004年以降は原油の純輸入国に転じ、一次エネルギー源の主体は石油から石炭へシフトしつつある。エネルギーの安定確保を重視する同国政府は国内石炭資源の積極的活用を推進し、特に国内炭のうち約8割を占める低品位炭の有効活用は、同国のエネルギー政策課題の一つとなっていた。

 

日揮では、低品位炭を改質させる技術を開発、インドネシアの大手企業シナルマス・グループと共同で、ジャカルタ郊外のカラワン地区に低品位炭を原料とする石油代替燃料を製造する年産1万トン規模の実証プラント建設に着手した。低品位炭を高圧熱水により改質させた後、液体状のスラリー燃料に加工する日揮の独自技術を用いる。完成は2011年10月末。

 

新燃料は石油製品と同じ取り扱いが可能で、発電や産業用ボイラーの石油代替燃料として利用できる。今後は発電用エンジン、石炭ガス化、バイオマス燃料と組み合わせた適用も視野に入れている。日揮とシナルマス・グループは、今回の実証プラントを通じて技術検証を行うとともに、新燃料の普及に取り組み、低品位炭の資源権益確保から新燃料の販売までの大規模商業化につなげる方針。